【鹿島】“遊び心”満載の鮮やかヒール! 遠藤康の追加点はこうして生まれた

2016年12月15日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「サッカーは楽しくやらないと意味がない」

こぼれ球を素早く左足でコントロールし、右足のヒールで流し込む。遠藤の鮮やかなヒールショットで2-0。欲しかった追加点を挙げ、勝負を決定づけた。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

[クラブW杯準決勝]ナシオナル0-3鹿島/2016年12月14日/吹田スタジアム

 虎視眈々と狙っていた。押し込まれていたとはいえ、守備の強度を落とさずに次の1点を求めていた。
 
 1点リードで迎えた後半は、ナシオナルの波状攻撃の前に鹿島は防戦一方だった。なかなか相手陣内にボールを運べないフラストレーションの溜まる展開のなか、遠藤はディフェンスに奔走しながらも、このまま耐え忍ぶつもりはなかった。
 
「点を決められるかもしれないし、1点差では無理だと思っていた。2点目を取れないと勝てない。まあ、良い時間帯に自分が取ることができました」
 
 83分、左サイドから柴崎がクロスを供給する。「常にゴールを狙っていた」という遠藤がエリア内に侵入する。「ダイレクトで、左足で打とうとしたけど」、GKと交錯するような形でシュートはできなかった。
 
 しかし、こぼれ球が遠藤の足もとに転がってくる。ゴールに背を向けた状態だったが、左足で正確にコントロールし、すかさず右足のヒールで流し込む。鮮やかな追加点だった。
 
 相手DFが迫りくるなか、慌ててもおかしくない状況だった。しかし、遠藤は心憎いばかりに冷静だったのは、なぜか――。
 
「サッカーは楽しくやらないと意味がない。遊び心を持ってやりたいな、と」
 
 これだけの大舞台でも、"初心"を忘れていなかった。永遠のサッカー小僧のアイデア溢れるファインゴールに、スタンドからは感嘆のため息がもれた。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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