悔し涙を流した平川怜。2017年も大注目の逸材が思い描く理想像とは?

2016年12月12日 松尾祐希

あと一歩で優勝を逃した事実は心に深く刻まれた

2016年、チームでの活躍のみならず、平川はU-16日本代表やJ3での奮闘など話題を提供し続けた。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

 試合終了のホイッスルが鳴り響いた瞬間、FC東京U−18の選手たちはがっくりと肩を落とした。
 
 プレミアリーグEAST最終節。2位ながらも首位・青森山田との直接対決で勝利すれば、初優勝を掴める大一番だったが、ゲーム終盤にPKによる得点を許し、0-1の敗北に終わった。ホームの小平グラウンドに詰めかけたサポーターから溜息が漏れる。途中交代でベンチに退いていた1年生MF平川怜も悔しげな表情を浮かべ、目からは熱いモノがこみ上げていた。
 
「後半は意図的ではないですけど、自分のところにボールがたくさんきていたので、ここがチャンスだと思って力を上げていた。でも、得点に繋がらなかったので……」
 
 と、U-16日本代表MFは振り返る。

 チーム事情からこの試合は左サイドハーフでの先発出場となったが、前半は右サイドが攻撃の起点となったため高い位置でプレーできなかった。それでも、球際の強さを活かした守りと前線への縦パスで存在を誇示。後半は自ら仕掛ける機会が増え、左サイドの奥深くまで切り込むシーンを頻発させた。
 
 しかし、最後までゴールを奪うことはできず、悔やんでも悔やみ切れない黒星を喫した。充実の2016年、その締めくくりとなる最後の公式戦で――。
 
 夏のクラブユース選手権と秋のJユースカップで全国制覇を経験し、ビッグトーナメントで勝つ喜びを知った。それだけに、あと一歩で優勝を逃した事実は彼の心に深く刻まれたことだろう。

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