【コラム】マンCとの首位攻防戦を制すも、チェルシーが「優勝筆頭候補」と騒がれない理由

2016年12月06日 山中忍

確信からくる自信がチェルシーの原動力に。

グアルディオラが「見ていて楽しかった」と感想を残したハイレベルな一戦を制したコンテのチェルシー。しかし、現地メディアの評価は意外にも…。 (C) Getty Images

 チェルシーは、プレミアリーグ14節のマンチェスター・シティ戦(12月3日)で3-1での逆転勝利。首位の座を堅持してみせた。
 
 しかし、現地メディアでは、計22得点・3失点の好成績での8連勝を記録したチェルシーの「優勝候補筆頭格浮上」ではなく、マンチェスター・Cの「首位攻防戦で敗北」という形で騒がれる方が目に付いた。
 
 ジョゼップ・グアルディオラのチームが、鋭利なカウンターにやられた挙句、ダビド・ルイスに悪質なタックルを見舞ったセルヒオ・アグエロと、セスク・ファブレガスの首を掴んで押し飛ばしたフェルナンジーニョが一発退場を命じられた乱闘シーンで終えた敗戦は、それほど衝撃的だったわけだ。
 
 だが、連勝街道を進むアントニオ・コンテのチェルシーも、マンチェスター・C戦で衝撃的な変化は見せている。
 
 例えば、7節のハル戦以降に基本化され、チームにとって転機となった3バックの中央では、かつて「無謀」なプレーが非難されていたD・ルイスが、マンチェスター・Cの攻撃を「知的」なポジショニングと「堅実」なクリアで守備を牽引していた。
 
 さらに最前線では、「短気」なジエゴ・コスタが、前半のチャンス供給不足を「我慢」して、後半には1ゴール・1アシストと活躍。終了間際の乱闘シーンでは意外にも仲裁役に回っていた。
 
 両選手が体現するのは、「やるべき仕事に集中しさえすれば良い」という確信からくる自信だ。
 
 D・ルイスら守備陣は、前半終了間際の45分という嫌な時間帯に先制点を許しても決して焦らなかった。D・コスタ、ウィリアン、エデン・アザールの得点者3名は、それぞれ枠内シュート1本目でネットを揺らしてみせたのだ。

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