【鹿島】逆転優勝の舞台裏。柴崎岳が明かした浦和の弱点とは?「前には強いけど…」

2016年12月04日 塚越 始(サッカーダイジェスト)

「こうしたチームに対して、有効的な攻撃だった」。

優勝を果たし、柴崎がサポーターとともに歓喜する。(C)SOCCER DIGEST

[Jリーグ チャンピオンシップ決勝 第2戦] 浦和1-2鹿島/12月3日/埼玉スタジアム2002

 チャンピオンシップ決勝第2戦、右中足骨を傷めていた鹿島の柴崎が左MFとして先発復帰。フル出場を果たして、2-1(2戦合計2-2、アウェーゴールルールにより)逆転優勝に貢献した。 
 
 決してコンディションは万全ではなかったものの、ボールを持つと長短のパスを使い分けて前線に変化を与えた。スプリント回数30回は金崎に次いで2位。攻撃のみならず、途中からは守備でも、素早い出足から浦和の反撃を食い止めた。

 久々の先発出場だったものの、柴崎は「非常に、自分でも驚くくらい冷静にやれた」と言う。そして「時間が経っても焦ることはなかった」とペースを崩さずプレーできた。
 
 柴崎が明かしたのが浦和攻略の舞台裏だ。「弱点」を突くと効果があり、必ずゴールを奪えるという自信を得られたと言う。

「浦和の選手は前には強いけど、あまり裏への対応が上手ではないので、そういったところを突いていこうと思っていました。そのためにはボールを取ったあとの質や精度が求められます。ある程度、そういった質は保てていたので、得点につながったと思います。ゴールシーン(遠藤のボール奪取からのクロスを金崎がヘッドで叩き込む)は理想的でした。こうしたチームに対しては、有効的な攻撃だったと思います」
 
 浦和の背後を突く――。しかも、この日は立ち上がりから浦和が完全前のめりになっており、一進一退ではあったものの、鹿島であり、柴崎の狙いは、ことごとくハマっていった。鹿島の2ゴールは、まさにその相手の急所である、背後にパスを送って生まれたものだった。

 また、浦和は「普段どおり」を意識したのに対し(とはいえ普段どおりとは少し違った印象を受けたが……)、鹿島は伝統と言える「一発勝負」のモードに切り替えて臨んできた。柴崎は次のように話した。

「レギュレーション(大会方式)によって、自分たちのやらなければならないことがハッキリしていて、今日は2点を取らなければいけなかった」

【決勝PHOTOギャラリー】鹿島が逆転で7年ぶり8度目V!

次ページ「普段どおり」を強調した浦和。一方、鹿島は伝統の「一発勝負」モードに切り替える。

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