【ミラン番記者】本田圭佑が完全に「置いてけぼり」を食う…

2016年11月30日 マルコ・パソット

モンテッラの脳内ヒエラルキーにおいて本田は…。

先のエンポリ戦で4試合連続の出番なしに終わった本田。好調のチームにあって「置いてけぼり」の状態に……。(C)Getty Images

 ミランの今シーズンのトップチーム登録数は28名。その全員を満足させるには、一つのリーグだけでは不十分だ。試合は少ないというのに、選手の数が多すぎる。
 
 しかし、それでも指揮官のヴィンチェンツォ・モンテッラは、どうにか選手たちから不満が出ないようにと策を講じている。14節を終えてユベントスに次ぐ2位(ローマと同勝点)という幸せな状況を一人でも多くの選手と共に分かち合い、よりチームをひとつにまとめたいと考えているのだ。
 
 そのため多少のターンオーバーを導入しているし、怪我や出場停止で試合に出られない選手がいる時は、できるだけ普段はプレーしていない選手を代わりに使おうとしている。
 
 例えばジャンルカ・ラパドゥーラやマリオ・パシャリッチ、マティアス・フェルナンデス、グスタボ・ゴメス。彼らはつい数週間前まで特別な緊急事態が起こらない限りは、ピッチで姿を見ることができなかった選手たちだ。それがここ最近で、彼らの出場時間が目に見えて増えてきている。
 
 この4選手の共通点は、今夏に入団したニューカマーであるということ。名前を見るとこの夏の補強がいかに芳しいものでなかったことが分かるが、しかしとにかくここにきて、やっと彼らも計算できるようになってきた。
 
 新戦力4人が起用されるようになったのは、コンディションが上がってきたからだし、モンテッラの戦術メカニズムに馴染んできたでもある。しかし、やはり一番の理由は、先にも述べたようにモンテッラが13、14人だけでチームを回すのを止めたことにある。
 
 所属する選手全員で同じ意識を持ち、一致団結して戦う――。言うまでもなく、長いシーズンを乗り切るうえで非常に大事な要素だ。
 
 しかし、完璧ではない。まだミランの大きなうねりに、「置いてけぼり」を食う選手たちがいるのだ。そのうちの一人は我々がよく知っている、本田圭佑である……。
 
 モンテッラの脳内ヒエラルキーが低い本田を取り巻く状況は、いまだなんの変化もない。14節までのプレー時間はわずか80分間(先発1試合、途中出場2試合)で、これは28人のうち21位である。

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