【FC東京U-23】「自分らしくない」。初ゴールを逃した久保がJ3の戦いで感じた“現在地”とは?

2016年11月20日 小田智史(サッカーダイジェスト)

「かなり良い形で持ち込めていたので、『今日は入りそうだな』と思っていた」

2日連続の出場にも「生地選手も昨日(Jユースカップで)フル出場して、今日も出ているので全然大丈夫」と涼しい顔。疲れを見せず、チャンスにも絡んだ。 写真:徳原隆元

[J3第30節]FC東京U-23 2-0 C大阪U-23/11月20日/夢の島
 
 1-0で迎えた62分すぎ、久保建英がビブスを脱いでユニホーム姿になると、"夢の島"が沸いた。前日のJユースカップ決勝で、途中出場ながら65分間プレー。帰りのバスの中で「出るかもしれないから準備をしておくように」(久保)言われていたという。
 
 投入直後こそボールが収まらなかったが、ユ・インスへスルーパスを通してゴールに迫った70分のプレーをきっかけに、リズムに乗る。77分には同じFC東京U-18所属の生地慶充とのワンツーから再び左サイドのユ・インスを使って攻撃を演出し、その6分後には小川諒也のクロスにダイレクトで左足を振り抜き、Jの舞台で初シュートを放った(結果は枠外)。
 
 ピッチに入る際、「(途中出場の)自分よりも疲れている選手が多いので、スペースでボールを受けて自分のプレーができれば」とイメージを描いていた久保。立て続けにチャンスを迎え、「(チームとして)かなり良い形で持ち込めていたので、『今日は入りそうだな』」と自身のゴールが生まれる予感があったという。
 
 すると試合終了間際の90+4分、最大の見せ場が訪れる。味方のスルーパスに抜け出すと左足を一閃。ゴール左を狙ったシュートはGKの横っ飛びセーブに遭い、惜しくも初ゴールはならなかった。久保は、GKとの1対1になった場面をこう振り返る。
 
「2試合目(福島戦)は1、2回打てるチャンスを打たずに後悔していた部分があったので、3試合目はチャンスがあったら狙っていこうと思っていました。シュートを打てたことは前進したかなと。でも、これ以上ないって形で(パスが)来て、GKはしっかり見ていたんですけど、ちょっと緊張してしまって、判断を変えることができませんでした」
 
 訊けば、「何も考えられずになって」いたという。そのなかで、「アウト(サイドキック)で(左)サイドに蹴ったんですけど、読まれていた。自分らしくない」というのが決定機に対する久保の自己分析だ。

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