【選手権出場校】福岡・東福岡|選手層にさらなる厚みを加えて、連覇へまっしぐらに突き進む“赤い彗星”

2016年11月14日 松尾祐希

決勝では藤川を抑えて田尻がスタメン出場

藤川と熾烈なポジション争いを繰り広げる田尻。その成長はチームにとって大きなプラス材料に。写真:松尾祐希

「選手たちがよく頑張ってくれたかなと思います」
 
 そう称えるのは、東福岡の森重潤也監督だ。
 
 優勝候補筆頭として臨んだインターハイの初戦敗退から早3か月。"赤い彗星"は福岡選決勝で県下のライバル九州国際大付を6-0の大差で撃破し、ディフェンディングチャンピオンに恥じない戦いぶりで、4年連続18回目の選手権出場を決めた。
 
 夏以降、チームは主力選手を怪我で欠くことが多く、プレミアリーグWESTなどベストメンバーで挑めた試合は数える程度だった。そのため、森重監督は強化に苦心。「インターハイが終わってからなかなか思うようにチーム力を上げられないまま、この県予選に入ってしまった」と状態の悪さを認めていた。
 
 しかし、そこで下からの突き上げがあるのが東福岡だ。
 
 4-1-4-1システムのトップ下に位置するジュビロ磐田入団内定のMF藤川虎太朗(3年)が夏場に離脱すると、技巧派の田尻京太郎(3年)が台頭。もともとレギュラー格ではあったが、中心選手としてピッチに立ったことで化学変化が起こり、彼に多くの経験値も与えた。
 
 その成長ぶりは「田尻は虎太朗がいない間にずいぶんと成長した。ゲームをコントロールできるようになったし、ウチとしては大きな収穫。その意味では良かったなと思う」と、志波芳則総監督も目を細める。
 
 決勝でも藤川を抑えて先発出場を果たすと、トップ下の位置から長短織り交ぜたパスで攻撃にアクセントを加えた。前半29分にはFW藤井一輝(3年)の2点目をアシスト。「非常にいいパフォーマンスを維持してくれているので、代える必要はなかった」と森重監督が語るほど、存在感のあるプレーを披露した。
 
 
 

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