【選手権出場校】東京B・駒澤大高|苦渋を糧に総合力を高めた赤黒軍団

2016年11月13日 安藤隆人

「勝って当たり前という目で見られた」

駒沢陸上競技場で歓喜の雄叫びを上げる駒澤大高イレブン。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 今年は駒澤大高にとって、プレッシャーのかかる一年だった。
 
 昨年度の選手権でベスト8に進出。準々決勝で選手権制覇を果たした東福岡と大接戦を演じ、敗れはしたものの、評価を大きく上げた。そのときのメンバーが数多く残る今年は、「勝って当たり前という目で見られた」と大野祥司監督が語ったように、周囲からマークされる存在となった。

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 そして関東大会予選に続いて関東大会を制したことで、よりその風潮は強まった。ところが、インターハイ予選の準決勝で関東一に0−1で敗れて本大会出場を逃がすと、T1リーグ(東京都リーグ1部)でも2連敗を喫してしまう。
 
 チームの歯車が狂ったのか。

 いや、それはチームがさらに総合力を上げて行く過程に過ぎなかった。「怪我人が多く、どの試合も思うようにメンバーが揃わなかった。でも、そのなかでいろんな選手が試合を経験し、成長していった」と指揮官は振り返る。苦闘の連続のなかでチャンスを得た選手たちがプレッシャーの掛かる試合を戦い抜き、貴重な経験を積んだ。徐々にチーム全体のベースを押し上げていったのだ。
 
「今年で就任19年目ですが、これだけ(全体の)戦力があるチームは初めてだと思う。それくらいトータルの力が上がっている」
 
 大野監督は語気を強める。
 
 8月25日のT1リーグで帝京を4−1で下してから、今予選決勝まで公式戦は無敗だ。その期間のリーグ戦は7試合で2失点、今予選では決勝まで無失点で勝ち上がってきた。
 

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