【選手権出場校】山梨・山梨学院|強力ヘッダーを誇る怪物・加藤拓己はどこまで化けるのか

2016年11月12日 川端暁彦

分厚いボディーが信じられないほどの跳躍を

決勝でもゴールを挙げ、予選税試合得点を達成した加藤(9番)。山梨学院の押しも押されもしないエースだ。写真:川端暁彦

 11月12日に山梨中銀スタジアムで行なわれた高校サッカー選手権・山梨県予選決勝。怪物FW加藤拓己(2年)を擁する山梨学院は、栄光と伝統を誇る県内の名門・韮崎と対戦。タフでハードなバトルが続く「決勝戦はこうなるもの」(山梨学院・横森巧総監督)という言葉通りのゲームを1-0の僅差で制し、選手権本大会への出場権を手にした。
 
 U-17日本代表にも名を連ねる加藤は、当然ながら韮崎の徹底マークを受ける存在。だが、180㌢・78㌔という分厚いボディーが信じられないほどの跳躍をしてくるだけに、どうにも航空戦では止め切れない。

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「相手の3番が空中戦に強いのは分かっていたけれど、もうヘディングがしたくなくなるくらいに勝ってやろうと思っていた」というストライカーは、ひたすらヘッドで競り勝ち続けた。予選全試合得点となる先制点にして決勝点も、鹿島つくばジュニアユース時代に元日本代表FW長谷川祥之氏に仕込まれたヘディングで叩き込んでみせた。U-17日本代表のチェコ遠征でも自信を深めたというその高さに関しては、「全国のどの相手とやっても通用すると思う」と横森総監督も太鼓判を押す。
 
 もっとも、「飴が欲しいから飴ばかり取りたくなってしまう」と総監督が独特の言い回しで表現したように、加藤が競り勝てるからと、そればかりになってしまう悪いクセがチームにはある。
 
 安部一雄監督が「本当はもう少し落ち着いて横に繋げればと思うのだけれど、真面目で頑張っちゃうタイプが多いので……」と嘆き、横森総監督が「すぐにボーンボーンとなってしまう」と苦笑を浮かべる原因は、実のところ「蹴っておけば、加藤が勝ててしまうから」という側面もあるのだろう。
 
 

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