【日本代表】久保、浅野が語る秘策「4トップ」。欧州最先端システムの“破壊力”は実証された

2016年11月12日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「(監督からの)指示も別になかった」(浅野)。

「セカンドアタッカーとして面白い」と指揮官に期待されている久保。サイドでの起用も「可能性がある」と見られ、またCFでも十分に計算できる攻撃のマルチロールは、秘策“4トップ”には欠かせない選手と言えるだろう。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

[親善試合]日本 4-0 オマーン/11月11日/カシマ
 
 終盤に差し掛かった時間帯だ。4-3-3のシステムを採用する日本の攻撃陣に、ひとつの変化が見られた。
 
 最前線は、左に原口元気、真ん中に岡崎慎司と浅野拓磨、右に久保裕也。いずれも途中出場のFW登録の4人が、横一列に並ぶような形になる。

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 11月シリーズのメンバー発表の記者会見で、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は"4トップ"を示唆していた。
 
「我々はだいたい3トップです。ただ、彼(久保)が入ることによってアイデアが増えますよね。ひとつのオーガナイズが上手くいかなかった時に、もしかしたら4トップになるかもしれない。ふたりを真ん中に置いて、ふたりをサイドに置くかもしれない」
 
 久保が投入されたのは71分だった。トップ下の清武弘嗣と代わり、最初はそのままCFの下でプレーをしていたが、途中から右サイドの浅野とポジションを入れ替えている。
 
「(監督からの指示は)とにかく裏に抜けろ、と。途中でポジションは右に変えられました」と語る久保は、4トップ気味の陣形について次のように振り返る。
 
「右のFWでも、あまり張るなと言われていました。だから僕も自然と中に入っていって、4トップ気味になっていたのかな、と。ちょっと分からないですけど、そんな感じでした」
 
 一方、61分に右ウイングの本田圭佑との交代でピッチに入り、最後は中央でプレーしていた浅野の分析はこうだ。
 
「あれ(4トップ)は多分、自然となった感じですね。意識はしていなかったし、(監督からの)指示も別になかった。みんなの前への意識が高かったから、そうなったのかなと思います」
 
 たしかにハリルホジッチ監督は、4トップを採用するのは「得点を獲りに行く時とか、追いつかないといけない時。それはソリューション(解決策)のひとつです」と条件付きであるとも語っている。
 
 終了間際に小林祐希のダメ押しゴールが決まり、スコアは4-0。オマーン戦は日本が"前線に人数をかけなければいけない"シチュエーションではなかった。つまり、4トップを敷く必要はまるでなく、久保や浅野が言うように、"自然と"4人が前に並ぶ形になったのが真相だ。
 

次ページ「我々は試合中でも戦術を変えられる」(ハリルホジッチ監督)。

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