【日本代表】「本田さんの次は俺」オランダの玄人を唸らせた小林祐希の自信と決意

2016年11月08日 中田徹

ここまではボランチでプレーするが、トップ下に強いこだわりを持つ。

現地メディアの平均採点ランキングでリーグ20位に名を連ねるなど、小林は1年目のエールディビジで早くも存在感を発揮している。(C)Getty Images

 オランダのサッカー専門誌『フットボール・インターナショナル』のWEB版は、「好調の小林が日本代表に選ばれる」という見出しとともに「ジュビロ磐田で攻撃的MFだった小林祐希は、ヘーレンフェーンでやや守備的な役割を果たしつつ、目覚ましい成長を遂げた」と報じた。
 
 エールディビジ1年目ではここまで、公式戦10試合出場でゴールもアシストもなしと試合を決定付けるような結果は残せていない。それでもオランダの玄人たちは、「左足の技術が素晴らしい。インテリジェンスを感じるプレーをする」(元ユトレヒト監督のフック・ボーイ)、「小林はヘーレンフェーンのモーターだ」(元オランダ代表MFのアーノルド・ブルヒンク)と小林のいぶし銀のパフォーマンスに唸っている。
 
 フットボール・インターナショナル誌の採点ランキングでも小林は、平均6.43(10点満点)でリーグ20位に付けている。同メディアは、アンカー(スタイン・スハールス)と攻撃的MF(ペッレ・ファン・アメルスフォールト、もしくはモアテン・トルスビー)の間を繋ぎつつ、中盤での守備、アタッカー陣へのボール供給など、黒子の役割を全うする小林を、しっかり高く評価しているのだ。
 
 また、全国紙『デ・テレフラーフ』は、第11節のベストイレブンにフェイエノールト戦(10月30日/1−1)で奮闘した小林を選出した。
 
 チームの危機を察知して予めスペースを消しておくことや、自分が動くのではなく味方を動かすコミュニケーション――。オランダでプレーの引き出しが増えた小林は、ボランチとしてヘーレンフェーンにとって欠かせない選手となった。
 
 しかし、本人が虎視眈々と狙っているポジションはトップ下。自らゴールを決めることができればもちろん嬉しいし、アシストも楽しい。しかし、自分がゲームを作ってチャンスに絡み、それがチームの得点に繋がれば、それが単に「攻撃の起点」であっても小林はゾクゾクするのだという。ゴール、アシスト、ゲームメイク――。その全てを贅沢に味わいたいからこそ、小林はトップ下に強いこだわりを持っているのだ。

次ページ「ゴール、アシスト、あるいは違いを作りたい」

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事