次節で原口のヘルタと対戦! 無敗の4位、ホッフェンハイムが歩む革新的な独自路線とは!?

2016年10月28日 中野吉之伴

「勇敢に革新的に挑戦」――クラブ全体で共有するコンセプト。

26日のDFBカップではケルンに1-2で敗れて公式戦初黒星が付いたものの、ブンデスリーガでの快進撃はどこまで続くか。今、ドイツで最も多くの注目を集めるクラブのひとつだ。写真は前節レバークーゼン戦の後。 (C) Getty Images

 ブンデスリーガ第8節が終わった段階で、いまだ無敗のクラブが3つある。
 
 王者バイエルンは納得できるとしても、残り2クラブが昇格組のRBライプツィヒと昨シーズン、ぎりぎりで1部残留を果たしたホッフェンハイムというのは、大きな驚きだ。
 
 特にホッフェンハイムは、ここまで4勝4分けの4位。前節でレバークーゼンとのアウェー戦で3-0と快勝するなど目下リーグ4連勝中で、直近5試合の戦績ならば、3勝2分のバイエルンを上回る4勝1分でリーグトップなのである。
 
 今回は、そんな彼らの躍進ぶりに注目してみようと思う。
 
 2016年2月11日、降格の危機にあったチームにユリアン・ナーゲルスマンが到来した際には、史上最年少28歳での監督就任という話題性ばかりが先行していたが、今では年齢のことをとやかく言う者はどこにもいない。
 
 ホッフェンハイムのサッカーは、戦術的な規律と柔軟性、大胆さと慎重さが程良いバランスでミックスされている。
 
「勇敢に革新的に挑戦」というのが、クラブ全体で共有しているコンセプトだ。
 
 チャンスになりかけているのにシュートに持ち込めない、あるいはシュートに持ち込めそうなのに不用意なパスを出すと、普段は温厚なナーゲルスマンは激高し、「数的有利に持ち込んだ後のプレーの質をもっと高めないと。まだまだ余計なプレーが多い」と指摘する。
 
 ピッチ上でもピッチ外でも、選手も指導者もスタッフも、常にチャレンジしていく姿勢を何よりも要求しているのだ。
 
 今シーズンここまでの好調の要因の1つとして、昨シーズンまでのチームをベースに、適材適所の上乗せ作業が施されている点が挙げられる。
 
 レバークーゼンのスポーツディレクター、ルディ・フェラーも「ホッフェンハイムは、我々にだけ勝ったのではない。勝点を強奪したわけではなく、勝つべくして勝っている。ホッフェンハイムは良いチームだ。(今の好調は)偶然ではない。夏に良い補強もしている」と語っている。
 
 ダルムシュタットから加入したサンドロ・ヴァーグナーは、09年U-23欧州選手権に優勝したドイツ代表メンバーの1人。長身ながら足元の技術にも長けたFWで、前線でボールの収まりどころを作り出し、持ち味の得点力もいかんなく発揮している。
 
 ケルンから移籍のケビン・フォクトは、本職のボランチではなく、3バックのセンターという新しいポジションを開拓。194センチという大型選手ながら時速34.6キロというチーム最速のスピードを活かし、守備の安定に貢献している。

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次ページ若い選手たちにとって、刺激的で、楽しいであろう新たな試み。

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