【プレー分析|本田圭佑】後半はトーンダウンも、CFとして可能性を示した“新機軸”

2016年10月12日 サッカーダイジェスト編集部

CF起用の効果は開始早々にあらわれた。

原口(8番)とのコンビプレーは、度々チャンスを演出。新たな可能性を示した。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

[ロシアワールドカップ・アジア最終予選]オーストラリア 1-1 日本/10月11日/ドッグランズスタジアム
 
 グループ内最大のライバルとの一戦で、本田圭佑は従来の右ウイングではなく、CFで起用される。2012年10月16日のポーランド戦以来となる1トップでの先発だった。
 
"CF・本田"の効果は、試合開始早々にあらわれる。6分、センターライン付近でパスカットをした左ウイングの原口元気から、中央にいたボランチの長谷部誠にボールがつながる。そこから鋭い縦パスが前方で待つ本田のもとへ。そして本田が、長谷部からのパスをダイレクトで前方へ流すと、走り込んだ原口が、GKとの1対1を制して先制点を奪った。
 
 先制後、試合の主導権はオーストラリアに徐々に傾いたが、日本も素早くテンポの良いパスワークで、度々チャンスを作る。その中心には背番号4がいた。
 
 右ウイング時は、スピード不足を露呈し、面と向かって対峙するSBを剥がせずに、攻撃を停滞させることが多かった。しかしCFに入ったオーストラリア戦では、DFを背後に背負いながら足もとで受けると、持ち前のボディバランスを生かしてボールをキープ。それから味方の攻め上がりに合わせ、スムーズにパスを散らした。
 
 とりわけ、両ウイングとの連係は効果的だった。度々見られたのは、右サイドの小林悠(本田がパスを受けた回数1位)からパスを受け、左サイドを駆け上がる原口(本田がパスを出した回数1位)に展開する、というシーンだ。右サイドにDFが引き付けられ、左サイドにスペースができたことで、スピードのある原口が生きた。本田は、その中継役として機能していた。
 
 さらに28分、原口にボールを預けた本田は中央へ。エリア内でリターンを受けると強烈な左足のシュートを放つ。惜しくもGK正面に飛び、止められてしまったが、原口との"新ホットライン"は可能性を示したと言える。
 
 ただ一方で、小さくない課題も露呈した。

次ページ連係不足やコンディションの悪さを、改めて浮き彫りにした。

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