【セルジオ越後】「劇的」の影で、浮き彫りになった深刻な課題。中心選手が揃って90分間持たなくなっている

2016年10月07日 サッカーダイジェスト編集部

グループ未勝利の相手に土俵際まで追い込まれて、最後に投げ技が飛び出した。それで満足していいの?

本田はまたも後半途中に失速。90分間の計算が立たない選手が、特にアタッカーで目立ってきた。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

 辛うじて「劇的」な勝利を収められた。でも、「劇的」になってしまったことが問題だよ。すでに最終予選で2連敗してタイと並んで勝点ゼロに沈み、しかもリオ五輪世代が中心の若いイラク相手に、ホームでここまで苦戦してしまったんだからね。
 
 山口のシュートは見事だった。でも、いつの間にか土俵際まで追い込まれて、なんとか凌いで、最後に投げ技が飛び出した。そんな感じだったよね。イラクは守備を固めてカウンターを狙ってきたわけではなかった。真っ向勝負を挑んできて、日本が防戦になる時間もあった。近年のアジアの国との対戦とは、また異なる傾向が見えたと思う。
 
 監督の采配にもゆとりがなかった。1-1で迎えた最後の選択肢が、センターバックの吉田を前線に上げるというパワープレー。まだ最終予選の3試合目だよ? もう攻撃のレパートリーが"品切れ"になってしまったような気がするよ。試合を重ねるごとに、貫禄が感じられない日本代表になってきているよね。
 

次ページ相手はまだ伸びしろのある世代が中心だけど、日本は後半にスタミナが切れてしまう世代ばかり。

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