【日本代表】川島が担う“特別な役割”。「今こういう立場になって」改めて思うこととは?

2016年10月03日 サッカーダイジェスト編集部

「先人に学んでやっていきたい」

6日のイラク戦に向けてトレーニングをこなす川島。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

 川島は所属先のメス(フランス)で苦しいシーズンを過ごしている。本人も次のように言っていた。
 
「メンバーになかなか入れない。その意味で自分は難しい状況にあると思いますが、メンバーに入れないときはリザーブチームでプレーしたりしています。もっとも、この状況を分かって契約しているので、ヨーロッパの中でも大きいリーグで日本人GKとしてどこまでやれるか突き詰めたい」
 
 メスで出番に恵まれなくても今回代表メンバーに選ばれたのは、ハリルホジッチ監督からある役割を任されているからだ。指揮官は先のメンバー発表の席で、川島についてこう言及していた。
 
「第3GKをメンタルプレーヤーとして扱うというのは各国やりますね。メンタルプレーヤーを入れて気持ちを高める。チームの力を押し上げるんですね。永嗣にはその役割を求めています。(中略)トレーニングを続けていますし、すぐに先発で出るのは難しいですが、特別な役割を与えたいなと」
 
 では、その特別な役割について、川島自身はどう思っているのだろうか。
 
「特別に意識していない。代表で長くやらせてもらっているので、その意味で自分にできることはある。一人ひとりが輝きを取り戻すことが大事。チームが生き生きとプレーできるよう、チーム全体を押し上げていきたい」
 
 第3GKのメンタルプレーヤーと言って思い出されるのは、2010年の南アフリカ・ワールドカップに参戦した川口能活だろう。
 
「能活さんもナラさん(楢崎正剛)もそうだし、今まで日本代表で一緒にやってきた先輩たちに追いつきたいと思っている。代表で学ぶことは多かったし、自分が今こういう立場になって改めてふたりの経験の大きさを感じる。先人に学んでやっていきたいと思います」
 
 日本がワールドカップの出場権を獲得するためには、もはや負けが許されない状況だ。10月のイラク戦、オーストラリア戦の重要性は川島も十二分に理解している。
 
「UAE戦の結果を見たときはショックだった。代表に呼ばれていないときはひとりの日本人として応援しているし、最終予選の大きさや選手の痛みは分かる。前回のワールドカップの最終予選は厳しい時期もあったけど、どちらかと言えば順調にいった。厳しい状況での最終予選を経験している選手がなかなかいませんが、自分たちで乗り越えていかないといけない」
 
 そのために川島が果たす役割は決して小さくないだろう。酸いも甘いも知る守護神の存在は、少なからず代表に良い影響を与えるはずだ。
 
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