【日本代表】キレキレのドリブルだけじゃない。代表で苦杯を舐め続けてきた齋藤学が見せる〝違い″

2016年10月03日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

持ち味のドリブルだけでは、この群雄割拠の代表では生き残っていけない。

3月の2次予選で招集されるも、出場機会を与えられなかった。その〝リベンジ″という意味でも、齋藤は今回の最終予選に想いを燃やす。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

 10月2日、ロシア・ワールドカップのアジア最終予選、イラク戦とオーストラリア戦に臨む日本代表が、さいたま市内でトレーニングを行なった。

 宇佐美貴史と武藤嘉紀の負傷により、追加招集となった齋藤学らこの日集まった12人が、前日のリーグ戦の疲れを癒すかのように、ボール回しなど軽めの調整メニューに汗を流した。
 
 齋藤は前日の甲府戦で2ゴール・2アシストを決めるなど、最近のリーグ戦でハイパフォーマンスを見せている。追加招集とはいえ、今〝キレキレ″のドリブラーにハリルホジッチ監督から声がかかったのは当然と言える。
 
 その切れ味鋭いドリブルが最大の特長の齋藤だが、これまでも5試合・1得点と少なからず代表での戦いを経験しており、「持って仕掛けることは自分の良さ。だけど、仕掛けられる選手はほかにもいるし、もっといろんな良さを持っている人たちがたくさんいる」と、レベルの高さを把握している。
 
 そんな齋藤が「違いを見せていきたい」と語ったのは、最大の特長であるドリブルではなかった。
 
「取った後の攻撃にいくスピードとかはすごく早いし、(奪われた時も)そこから切り替えて、高い位置で取りに行くとか、そういう切り替えの速さがある」
 
 ハリルジャパンのサッカーをこう分析する齋藤は、続けて、そのサッカーに対しての自信ものぞかせた。
 
「切り替えとかの部分は自分の良さもあるので、そこでの違いは見せていきたい」
 
 2014年のブラジル・ワールドカップの本大会のメンバーに選ばれるも、出場できず。今年3月の2次予選に追加招集された際も、出場機会はなかった。

 そうした憂き目を味わってきた齋藤だからこそ、持ち味のドリブルだけでは、群雄割拠の代表では生き残っていけないと感じている。

次ページ仕掛ける姿勢を貫いた結果、「この(代表の)場に来られた」

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