【日本代表】面白みのない招集リスト。ハリルと本田のコメントから浮かび上がるタレント不足

2016年09月30日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

新たなスターが生まれないかぎり…。

所属クラブで出番のない本田、宇佐美を招集すべきだったのか。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 タレント不足──。10月のワールドカップ予選に臨むメンバー26人の顔ぶれを見て、そんな印象を抱いても不思議はないだろう。

【日本代表PHOTO】イラク戦、豪州戦に向けたメンバー26人

 なにしろ、所属クラブでサブ扱いの選手(本田、香川、岡崎、清武、宇佐美、長友、吉田、川島など)がハリルホジッチ監督の言葉を鵜呑みにすれば「12人」もいるのだ。鹿島の永木が初招集されたとはいえ、面白みのないリストと批判されても致し方ない。
 
 「リストを作るのは難しかった」というハリルホジッチ監督は、その苦悩を次のように述べている。
 
「先発で出てない選手がいるわけですが、普通の基準で行けば呼べないわけです。しかし、川島、長友、吉田、長谷部、香川、清武、本田、岡崎、宇佐美、武藤。そういった選手を除けてしまうと、だれを交代しますか。かなり難しいですよね。だから、そのような選択は私にはできないということです」
 
 横浜の齋藤、川崎の中村などJリーグで活躍している選手よりも、出番に恵まれていない欧州組のほうが上……。こうした現状が、タレントの枯渇を物語っているのではないか。日本代表の苦しい現況を、9月シリーズの時に本田はこう言っていた。
 
「今の状況って、海外である程度試合に出ていたら日本代表でレギュラーになれる。例えば、毎年100人ぐらい日本から(海外に)行くと。それで海外にレギュラーは50人いると。そこから誰を選べるかというのが、例えば南米なんです。
 
 僕の経験上、ブラジル人がいないクラブはないんで。でも今はね、僕ら含めて海外である程度レギュラー争いしている選手であれば、よほどのことがないかぎりは代表に呼んでもらえる。(理想は)海外で活躍するのがむしろ当たり前というプレッシャーのなかでやっていく。そういうところだと思います」
 
 「海外である程度試合に出ていたら」というより、もはや海外で試合に出なくてもレギュラーになれてしまうのがハリルジャパンの現状だ。今に始まったことではないが、看過はできない。本田、長友、岡崎ら北京五輪世代に頼り、若い世代の大きな突き上げがないまま日本は徐々に弱体化しているようにも見える。
 
 久保(建英)くんをA代表に──。さすがにそれは非現実的な話だが、そんなことを思ってしまうほど日本は厳しい状況にあるのではないか。新たなスターが生まれないかぎり、日本に明るい未来はないだろう。
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