【ミラン番記者】本田圭佑の「バルサ売り込み」は本当だった! 関係者が真相を激白

2016年09月28日 マルコ・パソット

モンテッラ監督の目に背番号10はまるで映っていない。

開幕から6試合連続のベンチスタートで、そのうち4試合は出番なし。今シーズンの本田はミランで完全にバックアッパー扱いだ。写真:Alberto LINGRIA

 このままいくと本田圭佑にとって今シーズンは、暗いトンネルに入って出口が見えない袋小路のような1年になりそうだ。ミランは試合を重ねるごとに成長を見せているが、そこに本田の入り込む余地はない。
 
 数日前、指揮官のヴィンチェンツォ・モンテッラは、「常に固定した選手だけで戦うつもりはない、そうなったらレギュラー以外の選手を失ってしまうようなものだ」とコメントした。
 
 それでも、これほど大所帯である以上(欧州カップ戦がないにもかかわらずトップチーム登録は28名)、誰かが冷や飯を食わなければいけない。その筆頭としてまず頭に浮かぶ名前がルイス・アドリアーノ、そして本田…。
 
 それは数字からも裏付されている。セリエA6試合を終えた現時点で、本田がピッチに立った時間はたったの18分間。3節・ウディネーゼ戦の11分間、5節・ラツィオ戦の7分間だ。あとの522分間はベンチを温めた。
 
 本田との定位置争いを制して右ウイングに君臨するスソは、開幕直後に比べてここ数試合はトーンダウンしているが、それでもモンテッラは彼を信頼して使い続けている。またスソを引っ込める時も、代わりにピッチに入るのはいつも本田以外の選手だ。
 
 本田がミランで長くベンチを温めたのは、何も今回が初めてではない。シニシャ・ミハイロビッチが指揮を執った昨シーズンも、9~11月にかけて2か月間もスタメンを外されていた。
 
 とはいえ、そういう状況になる前に本田は、いつもプレータイムを与えられていた(そのチャンスをうまく使うことができなかったが)。しかし今シーズンは、それさえもないのだ。
 
 モンテッラは今夏にミランに招聘されて以来、一貫して本田を「控え選手」として扱ってきた。選手選考や戦術に関して決定権を持つ監督の目に、背番号10はほとんど映っていないのだ。
 
 ただ、モンテッラに非はないだろう。彼は冷静にテクニカルかつ戦術的な判断を下しているに過ぎない。批判されるべきは、クラブ首脳陣だ。プレシーズン中に不穏な空気を感じ取っていた本田と彼の代理人は、クラブに今シーズンの方針に関してお伺いを立てた。「新チームの構想に入っているのか?」と。
 
 すると、マーケティング的にも本田を手放したくないアドリアーノ・ガッリアーニ副会長たちは、「必ずチャンスを与える」と保証。実際は前述した通りだ。その罪は決して小さくない。

次ページ真偽を探るべくバルサのSDに話を聞いた。

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