チェルシーに初黒星を付けたクロップ・リバプールの“優勝への意志表明”

2016年09月20日 山中忍

全員で攻め勝つクロップ・リバプール!

新戦力マネがすんなりとフィットし、チーム力が上がっているリバプール。クロップの理想とするゲーゲンプレッシングの精度がより高まれば、タイトルも見えてくるか。 (C) Getty Images

「俺たちは優勝の有力候補だと言わせてくれ!」
 
 去る9月17日の夜、『Talk SPORT』のラジオ番組に意見を寄せたリバプールの男性サポーターはそう叫んでいた。その声からは興奮がありありと伝わってきた。
 
 リバプールは前日のプレミアリーグ第5節でチェルシーを2-1で下し、相手に今シーズン初黒星をつけたばかりだった。しかも、敵地で攻めに攻め、勝つべくして勝ったのだから無理もないだろう。
 
 開幕早々にファンが浮かれているとみなすつもりもない。同節のプレミアでベスト11を選べば、中盤と前線は開幕5連勝で首位を走るマンチェスター・シティとリバプールによるポジション争いとなるはずだ。
 
 リバプールはチェルシー戦の勝利で、開幕からアーセナル(○4-3)、トッテナム(△1-1)と続いてきたアウェーでの強豪対決で計7ポイントを獲得。国内各紙では"優勝狙いの意思表明"だと報じられた。
 
 厳密に言えば、"全員で攻めるユルゲン・クロップのリバプール"による意思表明だ。チームは、昨年10月に就任した指揮官が思い描くように機能しつつある。チェルシー戦を見ても、前線と中盤は前後左右にポジションチェンジを繰り返し、互いの意図を完璧に理解しているかのような呼吸の良さでボールと選手が相手ゴールへと動いていた。
 
 今夏にスタイルが合わないクリスティアン・ベンテケ(クリスタル・パレスに放出)に代わるFWとして、サウサンプトンから加えられたサディオ・マネは、3トップの右ウイングに入り、逆サイドで先発したフィリッペ・コウチーニョにも負けない存在感を放っている。
 
 効果的に中央にも顔を出す姿は、時として、さりげなく巧いコウチーニョの他にもう1人、露骨に速いコウチーニョが前線にいるかのように思えたほどだ。
 

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