名波監督も認める逸材。U-19代表MF針谷の‟シンデレラストーリー“はどこまで続く?

2016年09月17日 橋本啓(サッカーダイジェスト)

今夏のインターハイでブレイク。

今夏のインターハイでの活躍でブレイク。その後、U-19代表にも初選出された針谷はプロ注目の逸材だ。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 9月に入り、高校生のJリーグ入り内定のニュースが続々と飛び込んできた。おそらく今後も、有望株たちがプロ入りを掴んでいくだろう。埼玉の昌平高3年・針谷岳晃も、そのひとりになるはずだ。
 
 自在に攻撃を操る様に、非凡な才能を感じずにはいられない――。
 
 率直に言うと、針谷はそんな選手である。166センチ・56キロと華奢な身体つきだが、ピッチ上で見せるその巧みな技術と、的確な判断、ツボを抑えたポジショニングには、目を見張るものがある。
 
 SBを主戦場としていた中学時代はなかなか芽が出なかったが、昌平高への進学を機にボランチへコンバートされると、類まれなセンスを遺憾なく発揮。攻撃のコンダクターとして堂々と振る舞う姿に、一部の関係者の間では、同校に入学後から密かに注目される存在となっていた。
 
 全国的には無名だったが、一気にその名が知れ渡ったのが今夏のインターハイである。スポットライトを浴びるきっかけとなった2回戦の東福岡戦では、2-2で迎えた後半アディショナルタイムにCKを直接決めて決勝点を奪取。昨年に選手権、インターハイの2冠に輝いた強豪校に引導を渡した。
 
 以降の試合でも、相手の虚をつくスルーパス、キレのあるドリブルで抜群の存在感を顕示し、昌平高のベスト4進出に貢献。「ノーマーク」だったチームを快進撃に導く活躍で、一気に株は上がった。
 
 その後、8月にはSBSカップのU-19代表メンバーに初選出され、注目度はさらに上昇する。全3試合に出場し得点こそ絡めなかったが、代表のユニホームを纏っても所々でその持ち味が光った。
 
 敵に囲まれても、抜群のキープ力でプレスをかわし、攻撃にアクセントを加える。そんな針谷のプレーに、会場に駆け付けたJクラブのスカウト陣たちも熱視線を送っていた。
 
 気になる今後の進路だが、川崎、C大阪、湘南に続いて、先日には磐田のトレーニングにも参加。まずまずのアピールに成功し、針谷のプレーを間近で見た名波浩監督からは、その技術の高さを称えられた。
 
 一部では、C大阪がリストアップしているとの情報もあるが、針谷の進路先は果たして――。

次ページ10月のアジア選手権でのメンバー入りは…。

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