【FC東京】左膝靭帯損傷で全治約6週間…。ムリキ負傷離脱の影響は?

2016年09月14日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

ムリキ離脱を境に攻撃面で精彩を欠いているように映るのが…。

攻撃面で重要な役割を果たしているムリキ。写真:(C)SOCCER DIGEST

 ドン、ドン──。ドン、ドン──。
 
 湘南をホームに迎えた一戦の前半、FC東京がミスをするたびに記者席の一角から「ドン、ドン」と机を叩く音が聞こえてきた。"音の主"は、この日ベンチメンバーからも外れたムリキ。8月31日の福岡とのルヴァンカップ準決勝で負傷し、経過観察となっていたブラジル人アタッカーは、自身が試合に出られない状況もあってその悔しさを「ドン、ドン」で示していたのかもしれない。
 
 9月13日のクラブリリースによれば、ムリキは左膝外側側副靭帯損傷で全治約6週間。9月17日の浦和戦(第2ステージ12節)、9月25日のG大阪戦(同13節)、10月1日の広島戦(同14節)、10月5日と9日の浦和とのルヴァンカップ準決勝にはおそらく出られない。10月22日の鹿島戦(同15節)に間に合うかも微妙で、順調に回復して出場できたとしても10月29日の仙台戦(同16節)だろうか。
 
 要するに、ムリキは今季絶望に近い状態だ。この7月に城福氏から篠田氏に指揮権が移って以降、彼は4‐2‐3‐1システムの左サイドアタッカーとして機能していた。チャンスメーカーとしてもフィニッシャ―としても存在感を示していたが、そんなムリキの負傷離脱を境に攻撃面で精彩を欠いているように映るのがトップ下の東だ。
 
 第2ステージ9節の横浜戦ではムリキとのワンツーから決勝ゴールを奪うなど、篠田氏の下でトップ下に固定されたからの東は輝きを放っていた。そして「ムリキとはやりやすい」とのコメントも残していた。しかし、ムリキ不在の湘南戦ではシュート0本。ゴール前への鋭い飛び出しも影を潜め、チャンスらしいチャンスに絡めなかった。相性の良かったムリキの戦線離脱が、多少なりとも東のパフォーマンスに影響している可能性はあるだろう。
 
 一方、ムリキに代わって左サイドに抜擢された中島は湘南戦で躍動。キレのあるドリブルと思い切りのいいミドルで攻撃陣を牽引するなど、良い意味でのエゴを出していた。前半44分に決めた先制ゴールはFC東京に流れを呼び込む貴重な一撃であり、文字通り勝利の立役者となった。そんな中島をフォローするかのように、実は東は守備の局面では効いていた。
 
 いずれにしても、"良き相棒"ムリキの不在によって東にはより臨機応変な働きが求められる。果たして、次節の浦和戦で東はどんな活躍を見せてくれるのだろうか。
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