「どうしてタイであんな選手が…」元代表・青山直晃が日本に警戒を呼び掛ける絶対的エースとは?

2016年09月04日 サッカーダイジェストWeb編集部

「メッシもティーラトンも凄いが……」

タイ代表の絶対的エース・ティーラシン。青山が絶賛するサッカーセンスは日本代表の脅威となりそうだ。(C) Getty Images

 日本代表は9月6日、バンコクのラジャマンガラスタジアムでロシアワールドカップ・アジア最終予選の第2戦・タイ戦を迎える。
 
 タイのクラブに所属しながら、この対戦を楽しみにしている、ひとりの日本人プレーヤーがいる。現在タイ・プレミアリーグで首位を走るムアントン・ユナイテッドでプレーする元日本代表DFの青山直晃だ。
 
 今季、ムアントン・Uには数多くのタイ代表の選手たちが加入。日本でも五輪最終予選でその名が知られることになったメッシ・ジェイ(チャナティプ・ソングラシン)や、ACLでも日本勢をその高精度のキックで苦しめてきたティーラトン・ブンマタンなど、クオリティの高い選手を揃え、タイ・プレミアリーグの覇権奪還に燃えている。
 
 しかし、青山はそんなタレントたちを抱える現在のムアントン・U、そしてタイ代表のなかでも、とりわけスーパーな選手がいると、サッカーダイジェストWebのインタビューで、フリーライターの佐々木裕介氏に語っている。
 
「メッシにしても、ティーラトンにしても毎日一緒に練習しているので、彼らの凄さも知っている。でもムイはスーパーです! 本当に凄い選手ですよ!」
 
 ムイとはクラブ内での呼称で、登録名はティーラシン・デーンダー。タイ代表の10番を背負う絶対的エースであり、国民的英雄とも言える存在だ。
 
 そのティーラシンの特長を、青山は次のように説明している。
 
「高さがあって、スピードもある。ドリブルもパスもすごく巧いんですよ。練習でも毎日マッチアップしますけど、ひとつふたつ上を行かれている感じがする」
 
 タイの富豪であるタクシン会長時代のマンチェスター・シティに加入。さすがに、メガクラブの層の厚さに跳ね返され、プレミアリーグデビューというところまではいかなかったものの、その後も欧州でのキャリアを重ね、2014-15シーズンにはスペイン1部のアルメリアでプレーしている。
 
 それだけのキャリアを誇る選手は国内では皆無なだけに、パフォーマンスのレベルとしては国内無敵の状態にあるわけだ。ムアントン・Uでは昨季までに166試合・78得点、タイ代表では67試合で31得点を記録。ほぼ2試合に1得点の割合でゴールを重ねている。青山が続ける。
 
「こちらが120パーセントで行っても、ムイはかなり余裕がある感じでやっている。点も取れるし、得点につながる決定的なパスも出せるスーパーな選手です」
「あんな選手は今まで見たことがないし、パーフェクトに近い選手。どうやってタイであんな選手が生まれたのか、不思議に思いますよ」
 

次ページ分かりやすく言えば「日本の組織vsムイ」の戦いになる。

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