【ブンデスリーガ移籍市場総括】上位から下位まで各クラブに活発な動き!

2016年09月03日 中野吉之伴

補強も放出もうまくいった王者、バランスの良いドルトムント。

主力級の出入りが激しかったドルトムントだが、最終的には今後が楽しみな陣容となった。写真はシュールレ(左)とゲッツェ(右)。 (C) Getty Images

 例年、大きな移籍が他国トップリーグに比べて多くはないドイツにしては、今夏の各クラブは積極的な動きを見せた。
 
 そのなかで、数は少ないが実効性は高かったのが、バイエルンだ。
 
 弱点のCBにドイツ代表DFマッツ・フンメルス(←ドルトムント)、そして欧州中のトップクラブが獲得を熱望したポルトガル代表MFレナト・サンチェス(←ベンフィカ)を獲得し、各ポジションに満遍なくハイレベルな選手を揃えることに成功した。
 
 同時に、マリオ・ゲッツェ、セバスティアン・ロデ(→ともにドルトムント)、メディ・ベナティア(→ユベントス)と、出場機会が乏しかった選手を納得のいく移籍金で放出し、余剰戦力の整理もうまくいった。
 
 一方、フンメルスの他に、イルカイ・ギュンドアン、ヘンリク・ムヒタリアンら、主軸選手離脱の痛手を受けたドルトムントは、将来性と即効性(即戦力)とのバランスの良い移籍政策を敢行した。
 
 古巣復帰のゲッツェ、恩師トーマス・トゥヘルを頼ったアンドレ・シュールレのドイツ代表組は、クラブのサポートでベストフォームを取り戻すべく、懸命にトレーニングに打ち込んでいる。
 
 バルセロナから加入のマルク・バルトラはビルドアップ能力の高さを見せ、フランスの逸材オスマン・デンベレは、爆発的なスピードとトリッキーなドリブルでファンから大きな期待を集めている。
 
 また、独特のリズムと卓越な技術を誇るエムレ・モルも、その潜在能力の高さを窺わせるプレーを披露し、首脳陣の目利きの確かさを感じさせる。
 
 この2強に続くのが、レバークーゼンだ。
 
 ロジャー・シュミット監督が志向するハイプレス・シュートパスサッカーにハマらなかったクリストフ・クラマーは古巣ボルシアMGに戻り、出場機会を求めてレビン・エズトゥナリ、アンドレ・ラマーリョのふたりは、マインツへと移籍した。
 
 一方、得点・アシスト能力抜群のドイツ代表FWケビン・フォラント(←ホッフェンハイム)、堅実さと基礎技術の高さが光るオーストリア代表MFユリアン・バウムガルトリンガー(←マインツ)、そしてCBのバックアップにオーストリア代表DFアレクサンダル・ドラゴビッチ(←ディナモ・キエフ)と、適材適所な補強を施した。
 
 全体としてチーム力は、確実にアップしたと言えるだろう。

次ページ下位に低迷するハンブルクは巻き返しを狙い即戦力の補強展開。

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