【藤田俊哉の目】UAE戦の全3ゴールはセットプレー。最終予選のキーマンはキッカーの清武だ

2016年09月02日 サッカーダイジェストWeb編集部

ひとつのミスが命取りに。リスタートが勝負の行方を左右する。

ハリルジャパンでセットプレーのキッカーを任されている清武はキーマンのひとりだ。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

 ロシア・ワールドカップのアジア最終予選が始まったね。6大会連続出場を目指す日本だけど、大事な初戦を落としてしまった。どんな大会にも言えることだけど、チームに勢いを与えるうえでも、初戦はとても重要だ。しかも最終予選の戦い方のセオリーは「ホームは勝利、アウェーで引き分け以上」。初戦のホームで勝点3はおろか、勝点1すら奪えなかったのは、本当に痛恨というしかない。
 
 たしかに、あの浅野のシュートはゴールラインを越えていた。それを認めてくれなかったのだから、もはや不運というしかない。試合後、ハリルホジッチ監督は審判のジャッジに対して不満を言っていたみたいだ。
 
 でも、あの幻のゴールが決まっていたとしても、日本はホームで勝点1しか取れなかったし、ホームで勝点3、というノルマは果たせていなかったことになる。レフェリーのジャッジが水物であるのは、なにも最終予選に限ったことではない。
 
 さらに言えば、「アジアの戦いは甘くない」「最終予選は楽な試合なんてない」というフレーズを耳にするのもまた、なにも今回の予選に限ったことではない。
 
 もちろん、レフェリーのジャッジに関係なく、自分たちのペースで試合を進めることが理想的な戦い方だ。でも、拮抗した展開になるのが最終予選であって、自分たちのペースでなかなか戦えないなかでも勝点3を手に入れなければならない。それが最終予選なんだ。
 
 ワールドカップ出場をかけて国と国のプライドがぶつかり合う舞台。だから、これからも流れのなかでゴールを簡単に奪えるようなシーンは少ないと考えていいし、自分たちのペースで終始戦って勝ち切れるケースの方が少ないと考えるべきだ。
 
 実際、UAEとの初戦で生まれた3ゴールは、すべてリスタートから。今後もひとつの「ミス」が命取りになるだろうし、「リスタート」が勝負の行方を左右するのは間違いない。日本の6大会連続出場のカギを握るキーワードと言えるだろうね。

次ページ次のタイ戦に負けるようであればW杯の扉は閉ざされるだろう。

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