川崎所属16年で公式戦出場は「10」。それでも愛され続けた安藤駿介が残した偉大な足跡

2026年01月18日 本田健介(サッカーダイジェスト)

誰よりも周囲を気遣う存在

様々な想いを語ってくれた安藤。今後はアシスタントGKコーチとしてクラブを支えていく。(C)SOCCER DIGEST

 川崎所属16年目、アカデミー時代を含めれば23年を数える。"アンちゃん"の愛称で誰からも愛された安藤駿介が、2025年限りで現役引退を発表し、新シーズンからアシスタントGKコーチに就任した。まさに縁の下の力持ちとしてクラブの歴史を築いてきた存在だ。改めてその想いに迫るインタビューシリーズである(第1回/全4回)。

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 世の中的に見れば、もしかしたら"ひっそり"という言葉が当てはまるのかもしれない。

 アカデミーから昇格し、1年だけ湘南へレンタル移籍したが、プロ17年で通算16年川崎に所属し続けたGK安藤駿介が昨年末プロ生活にピリオドを打った。11月に引退発表として出されたリリースに記された川崎での通算出場数は「10」。失礼を承知で言えば、華々しい舞台でスポットライトを浴びたわけではなかった。

 しかし、声を大にして言いたい。これほどクラブのために戦い、行動し、支え続けた選手はなかなかいない。プロとは結果を出して、ピッチに立ってナンボの世界なのは事実だ。だが、安藤は誰からも愛される模範となる偉大なフットボーラーであった。それも紛れもない事実である。

 誰よりも周囲を気遣う存在だった。
「常に自分の目線と架空の客観的目線を持つようにはしていましたね。何事も感情を除いたフラットな目で物事を見るようにしないと、みんな人だから、感情に左右されると、そもそも議論にならない。だからなるべく冷静な状態を自分で作るようにしていました。

 特別意識していたわけじゃないですけど、気付いたら周囲に何か一言、声をかけるようにはしていました。それがその選手にどれだけ響いているかは、僕には分からないですけどね。でも、感情的になっている選手にはマイナスな言葉はかけないとか、自分の形を持っている中堅以上の選手にはそこまで言わないとか、逆に若い選手が何かに怒りをぶつけていたらちょっと釘を刺すようなことは言うようにしていました」

 川崎にはそうやって苦しい時に、悩んでいる時に安藤に支えてもらった選手は多いに違いない。

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