【日本代表】ハリル指名の35歳、中村憲剛が語った"代表復帰"への期待と覚悟

2016年08月26日 いしかわ ごう

庄子GMからの着信を見た時は、「俺…何かやったかな?」と、とまどった。

バックアップメンバー入りを示唆された中村は、「それは嬉しいですよ。現役である以上、そこ(日本代表)にはこだわりがあります」と語った。(C)SOCCER DIGEST

 8月25日、ロシアワールドカップ・アジア最終予選を戦う日本代表メンバーが発表された。
川崎からは大島僚太と小林悠が選出されたが、最大のサプライズといえば、ハリルホジッチ監督からバックアップメンバーとして示唆された「35歳の選手」かもしれない。
 
 メンバー発表があったこの日、庄子春男GMからの着信を見た35歳の中村憲剛は、「俺…何かやったかな?」と、とまどったという。それもそうだろう。日頃、クラブの強化部長から自分の元に連絡が来ることなど、特別なことがない限り、まずないからである。
 
「普段、(庄子GMから)かかわってくることがないですからね。『バックアップメンバーらしいぞ』と言われて、『はっ?』って言いました(笑)」
 
 中村が思わず聞き返してしまったのも無理はない。現在の年齢は35歳。これまでハリルホジッチ体制下では、長く代表の中盤に君臨し続けていた遠藤保仁や、チームメートでもあるJリーグ3年連続得点王・大久保嘉人といった同世代のベテラン勢は選出されてこなかったという背景がある。自身のパフォーマンス抜きに、年齢という区切りで代表への門が閉じられつつあったことは、本人も感じ取っていたからだ。
 
 それだけに、バックアップメンバーとはいえ、表情を崩して素直に喜びを口にした。
「それは嬉しいですよ。現役である以上、そこ(日本代表)にはこだわりがあります。ただ年齢のことをよく口にする監督なので、難しいのかなと思っていました。35歳ですからね。若いとは思わないけど、ちゃんとやっていれば、そういう風に評価してくれる監督だとあらためて確認できた。それが見えているところでやるか、見えないところでやれるかでは、自分の中でも全然違います。見てくれていることは光栄だし、モチベーションも上がります」
 
 中村が日本代表選手としてプレーしたのは、2013年6月のコンフェデレーションズカップが最後になる。2014年のブラジルワールドカップでは本大会の23名から落選し、予備登録メンバーに回った。約3年ほど代表から遠ざかっていることになるが、気持ちが離れたことはない。

次ページ「最終予選はちょっと別物。3次予選とも違って独特な空気がある」

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事