【連載】霊長類ヒト科サポーター図鑑 最終回 中尾善一(FC町田ゼルビアサポーター)「身近にゼルビアがあるだけで満足」

2016年08月25日 宇都宮徹壱

「皆さんの若さを分けてもらっている感じです」

偶然の出会いで町田サポーターとなった中尾さん。ゴール裏での応援を続けている。写真:宇都宮徹壱

中尾善一(FC町田ゼルビアサポーター)
 
 昭和17年6月16日生まれの74歳。サッカー経験はまったくありません。息子が小さい時にサッカーをやっていたもので、それで審判の講習を受けて少年サッカーで笛を吹いていましたね。その息子も、今は40を過ぎていますが(苦笑)。
 
 町田を応援し始めたのは、実はわりと最近で2010年の4月からなんです。それまでNHKの集金の仕事をやっていて、バイクに乗っていたら交通事故で肩を骨折してしまって。そのままリタイア状態になって、何もすることなくて近所をぷらぷらしていたら、ここ(野津田/町田市立陸上競技場)に辿り着いたんです。
 
 町田ゼルビアの存在は知っていましたが、野津田で試合をやっていることはまったく知らなかった。本当に偶然なんですよ。それまでスタジアムでサッカー観戦したのって、国立(競技場)で天皇杯の決勝を観たくらいですかねえ。特定のチームを応援するという経験もありませんでした。
 
 ゴール裏の応援に参加するようになったのは11年からでしたね。遠巻きに眺めていたら、当時のコールリーダーの方と何となく目が合って、それからすっかりハマってしまって(笑)。去年くらいまでは飛び跳ねて応援していましたかね。今はもう無理ですけど。
 
 それでも、ゴール裏の仲間と出会えて本当に良かった。関東とか、北信越の遠征に車を出す時には、私もよく誘っていただいて。もちろん皆さん、私よりお若い方ばかり。私も皆さんの若さを分けてもらっている感じですよ(笑)。
 

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