【ミラン番記者】本田圭佑はモンテッラ監督にとって「控え選手」。それは「ニンジャ発言」にも如実に…

2016年08月24日 マルコ・パソット

「さすがに今回ばかりは……」と思えてくる。

過去2年のセリエA開幕戦ではスタメンだった本田だが、今シーズンは出番がなかった。(C)Getty Images

 全ては予想通りで始まった。スソがスタメン、本田圭佑はベンチ。夏のプレシーズン当初から不変だったこのヒエラルキーは、本拠地サン・シーロにトリノを迎えた8月21日のセリエA開幕戦でも同じだった。
 
 3-2で勝利したこの試合、本田はずっとヴィンチェンツォ・モンテッラ新監督の横に座っており、途中でアップこそしたが、結局はほんの少しの出番さえも与えられなかった。
 
 14年1月のミラン入団以降、本田が90分まるまるベンチに座っていたのは今回で14回目。だから何も目新しいことではないが、問題はそれが非常にデリケートなこの時期に起こったということだ。
 
 そう、まだ夏のカルチョ・メルカート(移籍市場)は閉まってはいないのだ。もしこんな状況が今後も続くなら、これが新監督の下で彼を待ち受けている状況だとしたら、本田は残された数日で移籍が可能かどうか、もう一度周りを見回してみるべきではないだろうか? 
 
 来夏に契約が切れるまで、ミランが本田を手元に置きたいと思っていることは間違いない。大事なアジア向けの広告塔だからだ。中国資本へのクラブ売却が内定しているだけに、彼のイタリア人エージェントとミランの首脳陣(とくにアドリアーノ・ガッリアーニ副会長)は本田売却に乗り気ではない。
 
 しかし同時に、モンテッラの頭の中で本田が"控え選手"であることも明白だ。もちろん、チーム内序列が今後上がることはありうる。彼はミランでこれまで何度も控えから出発し、最後はいつもレギュラーの座を勝ち取ってきた。先のことは誰にとっても予測不可能だ。ただ、現在はかつてないほど厳しい状況に置かれており、「さすがに今回ばかり…は…」と思えてくる。
 
 ただ、悪いニュースばかりではない。8月18日にベジクタシュからアルゼンチン人のホセ・ソサ獲得したことにより、ミランのEU外選手獲得枠が埋まった。モンテッラが獲得を強く望んでいた教え子ファン・ギジェルモ・クアドラード(チェルシー)はコロンビア人のため、彼が加入する可能性は事実上消滅したのだ。
 
 もし右ウイングがもっとも得意なクアドラードが移籍してきたら、もろにポジションがかぶる本田は完全にノックアウトだっただろう。当面のライバルは引き続きスソだ。

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