情熱を前面に押し出して戦う、走り切る
終盤戦で盛り返した群馬はJ3残留を果たした。ただ細貝社長は「当然、クラブとして課題は多い」とも。写真:元川悦子
Jリーグは2025シーズンの全日程が終了。J3では、JFLから昇格してきたばかりの栃木シティが優勝。1年でのJ2昇格を決めた。2位は、名将・石﨑信弘監督が率いたヴァンラーレ八戸。チーム人件費がJ3でも最少レベルのクラブの躍進は多くの人々を驚かせた。
そして、今季にJ2から降格してきた3チーム、鹿児島ユナイテッドFCは5位(昇格プレーオフは準決勝で敗退)、栃木SCが7位、ザスパ群馬が14位と、いずれも1年でのJ2復帰は叶わなかった。
とりわけ、群馬は厳しいシーズンを余儀なくされた。今年4月に正式就任した細貝萌社長兼GMが9月と10月に二度の声明を発表。J3残留へと明確に舵を切り、チーム全体が一段と結束したことによって、10月25日の33節・奈良クラブ戦以降は、ツエーゲン金沢、テゲバジャーロ宮崎、アスルクラロ沼津、松本山雅FC、高知ユナイテッドFCに勝利し、6連勝。沼津に勝利した時点でJ3残留を決めることができた。最低限のノルマを果たしたことで、細貝社長も心からの安堵感を覚えたに違いない。
「正直言って、声明を出さなければいけない状況になったのは、もちろん理想的ではなかった。終盤の6試合を6連勝で終わったというのはチームにとって良いことでしたが、ただ、6連勝したにもかかわらず、結果的に14位というのは、それまでどれだけ勝点を落としてきたかという厳しい事実を物語っている。当然、クラブとして課題は多いですね」と、険しい表情を浮かべていた。
「前にも少し話しましたけど、チームのスタイルやコンセプトがあって、それを目ざしていくのは当然のことですけど、前段階として戦う部分、走り切るところ、情熱を前面に出していくことが十分にできていなかったのは確か。僕自身は20年間そこで勝負してきたので、そういうベースがいかに大事かを誰よりもよく分かっているつもりです。
そんな僕の目線から見ると、今季のザスパはスタイルを先行していたので、プレーの一つひとつが軽く見えてしまっていたところがありました。そこは反省しなければいけない部分だと痛感します」
そして、今季にJ2から降格してきた3チーム、鹿児島ユナイテッドFCは5位(昇格プレーオフは準決勝で敗退)、栃木SCが7位、ザスパ群馬が14位と、いずれも1年でのJ2復帰は叶わなかった。
とりわけ、群馬は厳しいシーズンを余儀なくされた。今年4月に正式就任した細貝萌社長兼GMが9月と10月に二度の声明を発表。J3残留へと明確に舵を切り、チーム全体が一段と結束したことによって、10月25日の33節・奈良クラブ戦以降は、ツエーゲン金沢、テゲバジャーロ宮崎、アスルクラロ沼津、松本山雅FC、高知ユナイテッドFCに勝利し、6連勝。沼津に勝利した時点でJ3残留を決めることができた。最低限のノルマを果たしたことで、細貝社長も心からの安堵感を覚えたに違いない。
「正直言って、声明を出さなければいけない状況になったのは、もちろん理想的ではなかった。終盤の6試合を6連勝で終わったというのはチームにとって良いことでしたが、ただ、6連勝したにもかかわらず、結果的に14位というのは、それまでどれだけ勝点を落としてきたかという厳しい事実を物語っている。当然、クラブとして課題は多いですね」と、険しい表情を浮かべていた。
「前にも少し話しましたけど、チームのスタイルやコンセプトがあって、それを目ざしていくのは当然のことですけど、前段階として戦う部分、走り切るところ、情熱を前面に出していくことが十分にできていなかったのは確か。僕自身は20年間そこで勝負してきたので、そういうベースがいかに大事かを誰よりもよく分かっているつもりです。
そんな僕の目線から見ると、今季のザスパはスタイルを先行していたので、プレーの一つひとつが軽く見えてしまっていたところがありました。そこは反省しなければいけない部分だと痛感します」
細貝社長が語気を強めるのも、かつて日本代表やドイツ、トルコなど海外でプレーし、サッカーの原点の重要性を感じる機会が多かったから。群馬の経営トップに就任してからもブンデスリーガの解説を務めているが、今のトレンドに目を向けつつも、守備強度や局面の攻防がよりタフになっていることを彼はよく理解している。だからこそ、自チームの選手にあえて厳しい要求をするのだ。
「今の日本代表を見ても、当然、戦っていない選手なんか1人もいない。ほとんどの選手が欧州でプレーしていますけど、彼らはそれぞれの環境で様々なタスクや戦術を求められているでしょう。監督との相性もあるかもしれないけど、やはり情熱を前面に押し出して戦うとか、走り切るといった基本は確実にやっていますよね。それをザスパの選手もしっかりと認識し、ピッチで表現してほしい。僕は今、そう強く思っています」と、細貝社長は現場に対しての偽らざる思いを吐露した。
「今の日本代表を見ても、当然、戦っていない選手なんか1人もいない。ほとんどの選手が欧州でプレーしていますけど、彼らはそれぞれの環境で様々なタスクや戦術を求められているでしょう。監督との相性もあるかもしれないけど、やはり情熱を前面に押し出して戦うとか、走り切るといった基本は確実にやっていますよね。それをザスパの選手もしっかりと認識し、ピッチで表現してほしい。僕は今、そう強く思っています」と、細貝社長は現場に対しての偽らざる思いを吐露した。