「全く納得していません」出番なしが続いた日本代表DFが指揮官に伝えた本音。試合前日に告げられた突然の“アンカー起用”で奮闘も…CL5連敗に「キツかった」【現地発】

2025年11月27日 中田徹

「練習なしの、ぶっつけ本番でした」

ぶっつけ本番のアンカーで役割を全うした板倉。(C)Getty Images

 11月25日、アヤックスが0−2でベンフィカに敗れ、チャンピオンズリーグ(CL)で開幕から5連敗を喫した後、ミックスゾーンに姿を現した板倉滉は「キツかった。キツかったけれど...」と口を開いてから言葉をつなげた。

「急に昨日、『ボランチをやれ』と言われたんです。練習なしの、ぶっつけ本番でした。だけど、やるべきことはちゃんとできたかな。欲を言えば、もっともっと出来たこともあるんですけれど、"今できること"に関しては落ち着いてできました」

 オランダリーグでも6位に沈むアヤックスにはいくつもの不振の要因があるが、そのひとつがアンカーの人材不足だ。ジョーダン・ヘンダーソン(イングランド代表/ブレントフォード)の抜けた穴をジェームズ・マコーネル(←リバプールU-21)のレンタル補強で済まそうとしたアレックス・クルースTD(当時)に、メディア、ファンから厳しい目が向けられている。
 
 一方、板倉はCL前節の対ガラタサライ、直近のオランダリーグ2試合、合わせて3試合で出番なしに終わっていた。2019年1月、フローニンゲンに加入してから半年間、板倉はデニー・バイス監督(現フォルトゥナ・シッタルト)に見向きもされずリザーブチームでくすぶっていた。しかし19/20シーズンにCBとして才能が花開くと、負傷した時期を除けば、板倉がベンチを温めることはめったになかった。以下、ベンフィカ戦後、板倉の述懐だ。

「ボルシアMGのときにレッドカードで退場したときに、(自身が出場停止した)次の試合で勝ってベンチスタートというのはありました。でも、この感じは(フローニンゲン加入以来)久々ですね」

――だから今日への思いは強かったのでは?

「もちろん、(まだ若く、この先不安だった)フローニンゲンの時とは違うというか。出たらやれるというのがある。でもアヤックスで試合に出ても難しいのも感じている。だから、そこまでメンタルがブレることは無かったです」

「一回、話し合おう」とフレッド・フリム監督にベンフィカ戦の前日呼ばれた板倉は「どうだ?」と聞かれて「自分の現状に全く納得してません」とハッキリと答えた。それから指揮官は「コウ、明日は6番をやってほしい」と告げた。
 

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