【現地発・本田圭佑】新監督の低評価と強力ライバル加入の噂。またも困難の夏に…。

2016年08月10日 マルコ・パソット

いつしか監督の信頼を掴み、レギュラーを奪い取ってきた。

ミランでの4年目を迎える本田。しかし、またしてもプレシーズンは控えに甘んじている。(C)Getty Images

 またしても、「デジャヴ」だ。
 
 思えば本田圭佑がミランに来てから毎夏、我々はいつも同じ疑問を繰り返している。新シーズンの本田を待ち受けているものは? 新監督との関係は? 彼のチームでの立ち位置は? 歴史は繰り返されるというが、それにしても度を越している。2014年1月にミランに入団して以来、本田は一度として心穏やかな夏を過ごせていないだろう。
 
 毎シーズン、本田は第二列からスタートする。つまり新監督にはいつも、彼よりもお気に入りの選手がいるのだ。そして、その後のストーリーもだいたい同じだ。しばらくすると本田は監督にとって欠かせない存在となり、やがてレギュラーに定着。最後には必ず指揮官たちの考えを変えてきたのだ。
 
 その理由は簡単。本田は常に一定の働きを約束してくれるからだ。採点で「8」が付くほどハイレベルなものではないが、それでもチームのために身を粉にして働いてくれる。ウイングやトップ下など攻撃的なポジションに置かれながら、守備でも全力を尽くすのだ。
 
 そのプロフェッショナル精神、つまり陰日向なく練習に打ち込む姿勢は、どんな監督たちにとっても無視できないものだ。
 
 昨シーズンはそれがとくに顕著だった。9月から11試合連続でベンチに置かれながらも、その後は当時の指揮官シニシャ・ミハイロビッチの信頼をがっちりと掴み、ほぼ不動の存在に。途中就任したクリスティアン・ブロッキの下でも、最初の2試合こそベンチを温めたが、以降はレギュラーに返り咲いた。
 
 では、本田にとってミランでの6人目の監督(ありえない!)であるヴィンチェンツォ・モンテッラの下で、今いかなる立場にあるのか。
 
 これまで率いたクラブでは4-3-2-1や3-5-2を使ってきたモンテッラだが、プレシーズンでここまで4-3-3が基本システム。本田が争うポジションは、新シーズンも右ウングだ。
 
 しかし、残念ながら今のところモンテッラが、本田を高く評価しているとは言い難い。サマーキャンプ初日の会見でも本田に関しては「まずは彼をよく知りたい」とありきたりなコメントしか残しておらず、実際にアメリカ遠征でもあまり彼を使わなかった。アメリカではすべて途中出場で、バイエルン戦では27分間、リバプール戦では23分間、チェルシー戦では25分間しかプレータイムが与えられなかったのだ。

次ページスソに加えて、クアドラードまで入団してくれば……。

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