直近2戦4失点。ブラジル相手に日本は守り切れるのか。引き気味に構えて速攻狙いも。渡辺剛は「W杯前に一回やっておくのはあり」【日本代表】

2025年10月12日 元川悦子

瀬古に代わって谷口を抜擢か

ブラジル戦に向けて準備する森保ジャパン。守備の再構築は急務だ。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

 ワールドカップ常連国との2連戦が組まれた日本代表の10月シリーズ。10日のパラグアイ戦は2-2で引き分け。チームは14日のブラジル戦に向けて準備を進めている。

 11日のトレーニングでは、左足首を痛めて別調整が続いていた久保建英(レアル・ソシエダ)が部分合流。本人は「(進捗としては)プラン通りに行っていると思います」と、3日後の試合出場に向け、ポジティブな感触を示していた。

 攻撃のキーマンが復帰できるならば、チームにとって朗報だ。が、より重要なのは守備の方だ。日本は9月のアメリカ戦は0-2、パラグアイ戦でも2失点と、複数失点が続いている。

「プレスが全然ハマっていなかった。今日(パラグアイ戦)のような感じだと、次は大量に失点してしまう」と鎌田大地(クリスタル・パレス)も警鐘を鳴らしたが、 そこは森保一監督も選手たちも、真っ先に取り組むべき課題と考えているはずだ。

 目下、冨安健洋(無所属)、板倉滉(アヤックス)、町田浩樹(ホッフェンハイム)、伊藤洋輝(バイエルン)ら第二次森保体制の主力DF陣が揃って故障などで離脱。その影響は確かに少なくない。ただ、それ以上に気になるのが、現有戦力において小さな綻びが生じている点だ。

 特に気がかりだったのが、パラグアイ戦の1失点目。ボールホルダーのダミアン・ボバディジャのマークが不在で、瀬古歩夢(ル・アーブル)がオフサイドだと自分で判断してミゲル・アルミロンの裏抜けを許した。結果、ボバディジャのロングパスからアルミロンに決められた。こういうミスが2つ重なったら、強豪相手には確実に点を取られる。それは過去のW杯でも経験していることだ。
 
 ブラジルはそういう隙を確実に突いてくるチーム。11日の韓国戦では5-0で勝利。後半の得点は、相手のビルドアップのミスを突く形が目立った。日本も不用意にボールを持ったら、カウンターの餌食になりかねない。細心の注意を払うべきだ。

 次戦の守備陣の陣容を考察してみると、まずGKは鈴木彩艶(パルマ)の連続スタメンが確実。3バックは、ここ最近はディフェンスリーダー的な存在になっている渡辺剛(フェイエノールト)と、抜群の身体能力を誇る鈴木淳之介(コペンハーゲン)が続けてピッチに立ちそうだ。

 ただ、パラグアイ戦で不安定なプレーが目に付いた瀬古の起用は再考すべき。となれば、森保監督は最も信頼を寄せている2022年カタールW杯メンバーの谷口彰悟(シント=トロイデン)を抜擢するのではないか。

 谷口は2026年W杯アジア最終予選の前半戦のレギュラー。1年前に左足首アキレス腱断裂の重傷で、長期離脱を強いられたが、ここへ来てパフォーマンスも戻ってきた。大舞台の経験値もあるだけに、ブラジル相手でも冷静にゲームに入れるし、チーム全体をコントロールできるだろう。
 

次ページ耐え忍ぶ展開を覚悟しなければいけないのは確か

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