【バイタルエリアの仕事人】vol.56 相馬勇紀|パスを受けてからシュートを打てる位置や角度。そこにいることが大事

2025年09月25日 野口一郎(サッカーダイジェストWeb編集部)

シュートかドリブルか。同時に考えています

8ゴール・10アシストと町田の攻撃をけん引している相馬。写真:滝川敏之

「バイタルエリアの仕事人」。第56回は、FC町田ゼルビアのFW相馬勇紀だ。

 早稲田大を卒業後の2019年に名古屋グランパスでプロキャリアをスタートした相馬は、同年後期の鹿島アントラーズへの期限付き移籍を経て、名古屋には22年まで在籍。その後、23年1月に初の海外挑戦を果たす。ポルトガル1部のカーザ・ピアにレンタル移籍し、2シーズンを過ごして一度、名古屋にレンタルバックしたあと、24年7月からは町田に所属している。

 日本代表でのキャリアも豊富で、19年にA代表に初選出されると、21年の東京五輪や22年のカタール・ワールドカップといった大舞台のピッチにも立った。今年に入ってからは、7月の東アジアE-1選手権でキャプテンマークを託されて2試合に先発するなど、全3試合に出場して日本の2連覇に貢献した。

 現在、J1で5位につけている町田で、ここまでいずれもチームトップの8得点、10アシストをマーク。左サイドからの鋭い突破は"無双"と言っていいレベルで、相手チームの大きな脅威になっている。攻撃の大黒柱として躍動する充実一途の28歳に、まずはバイタルエリアについて訊いた。

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 バイタルエリアの位置は主に、ペナルティエリア周りのイメージです。シュートゾーンというか、ゴールを取ることができるエリアという認識です。ですから、ミドルシュートを打つのか、ドリブルで仕掛けるのかは状況によりますけど、まずはシュートを強く意識しています。

 シュートかドリブルか、どちらを選択するのかは同時に考えています。ただサッカーは遠いところを見ておくと、近いところのプレーもできます。シュートももともと打つ意識がないと打てません。それを頭に入れながらプレーしています。

 またバイタルエリアには、ドリブルよりもパスを受ける位置で入る意識をしています。試合にもよりますけど、ドリブルで入ると、相手も密集してきます。ですから、なるべく受けてからシュートを打てる位置や角度にいることを大事にしています。

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