ジーコ、長友佑都、2020年の川崎、Jと母国リーグの違い…「ずっと考えて日本サッカーを取材している。生きている間に見たい」のは?【ブラジル人記者インタビュー】

2025年09月07日 有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

「日本はもっと、良い外国人選手をスカウトすべき」

地球の真裏。母国ブラジルから遠く離れたサッカーを独自の視点で、鋭く分析しているチアゴさん。写真:塚本侃太(サッカーダイジェスト写真部)

 チアゴ・ボンテンポ――。その名を目にしたことがあるサッカーファンは少なくないのではないだろうか。ブラジル出身でありながら流暢な日本語を操り、日本のサッカーを深く、愛情を持って分析する1985年11月生まれのジャーナリストだ。

 今夏に広島で行なわれた、ジーコ氏主宰のチャリティマッチでの出会いをきっかけに、インタビューが実現。初回は日本に興味を持った経緯、第2回は日本代表の話題を掘り下げたなか、最終回ではより幅広く、日本サッカー全体の話を訊いた(第3回/全3回)。

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――先ほど、「今はたくさんの選手がヨーロッパで経験を積めているし、世界のレベルに近付けている」という話がありました。良い傾向ではあるのですが、一方で、優秀な選手が次々にJリーグを離れる流出の問題もあります。ヨーロッパがサッカーの最先端である以上、ブラジルでも同じ出来事が起きていますよね。

「そうですね。その点、Jリーグとすごく似ているけど、最近はブラジルのサッカーにもっとお金が出ています。新しいスタジアムができて、観客数も上がっています。

 昔、ブラジルリーグはJリーグと同じく、どこが優勝するか全く分からなくて、優勝チームが翌年に降格争いに巻き込まれるのがおかしくないぐらいでした。でも最近はフラメンゴやパルメイラスがすごくお金持ちになって、ボタフォゴも2022年にアメリカ人のオーナーが就任してお金持ちになりました。

 ブラジルのサッカーによりお金が投資されています。だから、クラブ・ワールドカップでたくさんのブラジルのクラブが活躍しましたね。でもJリーグはそんなにお金を出していないですし、ブラジルのリーグとその違いがあります。

 日本はもっと、良い外国人選手をスカウトすべきです。外国人選手を獲得するために、お金が必要ですね。お金をきちんと使って、チームにとって本当に良い選手を呼ぶ方が良いと思います」

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