【バイタルエリアの仕事人】vol.55 ピサノ・アレクサンドレ幸冬堀尾|19歳で日本代表に初招集。E-1で得た貴重な経験、先輩GKから得たのは…

2025年08月30日 野口一郎(サッカーダイジェストWeb編集部)

「大迫選手と早川選手からは学ぶことが多かった」

E-1で日本代表に初選出。香港戦でフル出場し、チームの優勝に貢献した。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部/現地特派)

 攻守の重要局面となる「バイタルエリア」で輝く選手たちのサッカー観に迫る連載インタビューシリーズ「バイタルエリアの仕事人」。第55回は、名古屋グランパスのGKピサノ・アレクサンドレ幸冬堀尾だ。

 名古屋のアカデミー育ちで197センチのサイズを誇るピサノは、トップチームに昇格した昨季はルヴァンカップ1試合のみの出場にとどまったが、今季は一気に飛躍している。

 5月3日に行なわれたJ1第14節の清水エスパルス戦でJ1デビューを飾ると、3-0の勝利に貢献。以降は、正守護神に定着している。

 そんな活躍が評価され、7月に開催された東アジアE-1選手権では森保一監督が率いる日本代表に19歳で初招集。初戦の香港戦(6-1)で先発に抜擢されるなど、日本の大会2連覇に貢献した。ピサノにとって、初の森保ジャパンで得たものはーー。

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 日本代表に選ばれて正直、驚きはありました。だけど、チャンスだと思いましたし、すごく楽しみでもありました。チームメイトがほとんど全員、一緒にやるのが初めての選手たちでしたから、そういう意味での緊張や不安は少しありましたけど、ピッチでサッカーをしたら、あまり不安を感じることなくプレーできました。
 
 香港戦では、自分たちが長い時間、ボールを持てていたなかで、後半に1失点してしまった。相手の少ないチャンスの際に、いかに集中して守れるかが大事だと痛感させられました。自分が味方へのコーチングをもっとしっかりとしていれば、防げたかもしれなかった。もっと集中力を高めていかないといけないと感じています。

 キーパーは、良くも悪くも試合の流れを変えるポジションだと、代表以外の試合に限らず感じています。日本代表に一緒に選ばれ、韓国戦(1-0)に出た大迫選手や中国戦(2-0)に出た早川選手の好セーブがその後、チームに自分たちの時間をもたらした。キーパーが流れを持って来られると、外から見ていて感じました。

 大迫選手と早川選手からは、いろいろと学ぶことが多かったです。コミュニケーションも多く取れました。2人は練習からずっと良い声掛けや好セーブができていて、それがそのまま試合に出ていました。そこが、自分はまだ足りないです。

 自分も2人のようなキーパーになりたいと、強く思いました。試合でずっと良い流れならば良いですけど、サッカーは相手の流れになる時間もあるので、少しでも多く、自分たちの流れに持っていけるようなキーパーになりたいです。
 

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