「一気にCLの試合になるというのが自分のなかでも感慨深かった」
新天地フェイエノールトでさっそく存在感を示した渡辺。怪我人続出の守備陣を力強く牽引している。(C)Getty Images
7月19日、フェイエノールトとヘントのプレシーズンマッチが開催された。左からのアーリークロスにフェイエノールトのストライカー、上田綺世が異次元の跳躍力で頭に合わせに行く。それに対しヘントのCB渡辺剛は空中戦で競りにいかず、上田にコツンと身体を当ててシュートのタイミングを少しだけズラすことで、GKがキャッチするのを助けた。
サッカーの試合でよくあるシーンと言えばそれまで。しかし、このデュエルでは上田の身体能力の高さを活かした「勝ちに行く空中戦」と、渡辺の頭脳的な「負けない空中戦」の攻防レベルが高かったので、いつまでもその迫力が瞼に焼きついている。
今、このふたりがフェイエノールトのチームメイトとして一緒にプレーしている。8月6日のチャンピオンズリーグ予選3回戦第1レグ、フェネルバフチェ(トルコ)とのホームゲームでは、上田と渡辺が共にスタメンとしてピッチに立ち、フェイエノールトが2-1で先勝した。
特に渡辺は加入したばかりのアネル・アフメドホジッチと堅い守備を披露し、「フェイエノールトのCBコンビは鉄壁だった」(テレビ解説を務めたデニー・クーフェルマンス)、「加入したばかりの選手たち(渡辺、アフメドホジッチ、左SBジョーダン・ボス)がチームにエネルギーとインテンシティをもたらしただけでなく、オン・ザ・ボールでもオフ・ザ・ボールでも高いクオリティを示してくれた」(ロビン・ファン・ペルシ監督)など、大いに称えられた。
試合後、取材に応じた渡辺は「(公式戦での)デビュー戦だったので勝ちたかった。一気にCLの試合になるというのが自分のなかでも感慨深かった。まず、勝てたというのが嬉しいです」と答えた。
サッカーの試合でよくあるシーンと言えばそれまで。しかし、このデュエルでは上田の身体能力の高さを活かした「勝ちに行く空中戦」と、渡辺の頭脳的な「負けない空中戦」の攻防レベルが高かったので、いつまでもその迫力が瞼に焼きついている。
今、このふたりがフェイエノールトのチームメイトとして一緒にプレーしている。8月6日のチャンピオンズリーグ予選3回戦第1レグ、フェネルバフチェ(トルコ)とのホームゲームでは、上田と渡辺が共にスタメンとしてピッチに立ち、フェイエノールトが2-1で先勝した。
特に渡辺は加入したばかりのアネル・アフメドホジッチと堅い守備を披露し、「フェイエノールトのCBコンビは鉄壁だった」(テレビ解説を務めたデニー・クーフェルマンス)、「加入したばかりの選手たち(渡辺、アフメドホジッチ、左SBジョーダン・ボス)がチームにエネルギーとインテンシティをもたらしただけでなく、オン・ザ・ボールでもオフ・ザ・ボールでも高いクオリティを示してくれた」(ロビン・ファン・ペルシ監督)など、大いに称えられた。
試合後、取材に応じた渡辺は「(公式戦での)デビュー戦だったので勝ちたかった。一気にCLの試合になるというのが自分のなかでも感慨深かった。まず、勝てたというのが嬉しいです」と答えた。
私にとっても渡辺の勇姿は感慨深かった。彼と初めて会ったのは22年11月、コルトレイク時代のヘント戦。0-4で大敗したこの試合で、渡辺は田中聡(現サンフレッチェ広島)とダブルボランチを組み、慣れないポジションで悪戦苦闘。足下でパスを受けた瞬間、ボールを奪われ失点に絡んでしまった。
コルトレイクのミックスゾーンは古く、暗く、天井が低く、負けた後は気が滅入りそうな環境だったが、それでも渡辺はベルギーに来て良かったこと、苦しかったことを正直に話してくれ、しかも「聡はいい選手なんで、ぜひ話を聞いてやってください」と後輩のことを慮っていた。
あれから3年近く経った。渡辺はベルギーリーグ屈指のCBのステータスを得てフェイエノールトに入団すると、瞬く間にチームのDFリーダーになった。
コルトレイクのミックスゾーンは古く、暗く、天井が低く、負けた後は気が滅入りそうな環境だったが、それでも渡辺はベルギーに来て良かったこと、苦しかったことを正直に話してくれ、しかも「聡はいい選手なんで、ぜひ話を聞いてやってください」と後輩のことを慮っていた。
あれから3年近く経った。渡辺はベルギーリーグ屈指のCBのステータスを得てフェイエノールトに入団すると、瞬く間にチームのDFリーダーになった。