【川崎】初優勝への確かな確信と予兆――中村憲剛がFC東京戦後に10分超の激白

2016年07月24日

「綱渡り状態でこの1週間を過ごしてきた」

右足首を負傷した中村は2試合を欠場したが、FC東京戦で戦線復帰。決勝点の起点となって勝利に貢献した。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 
 FC東京戦に勝利した川崎の中村憲剛は、晴れやかな表情でミックスゾーン(取材エリア)に現われた。それもそうだろう。当初の予定よりも早く戦線復帰を果たし、さらに多摩川クラシコという注目の一戦だったのだから。

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 第2ステージ2節の名古屋戦でイ・スンヒから右足首に受けた悪質なタックルを受け、その影響はまだ残っていたという。
 
「いや痛いですよ。まだ長いボールは、気合いを入れないとかなり激痛が走る。ただ、やる以上はもう仕方ない。メディカルに感謝です。半分、今日は様子見ながらやっているところも多少あった。自分が行っていいところ、行っちゃいけないところと。(エドゥアルド・)ネットも前にどんどん出てくれていたし、すごく助けられた」
 
 この試合からリオ五輪メンバーの大島僚太と原川力がチームを離れたなか、それまでボランチでフル稼働していた大島のポジションに入ったのが中村だった。今季は左サイドハーフやトップ下を主戦場にしており、ボランチでのプレーを「楽しかった」と語る。
 
「毎日チャレンジして、それを乗り越えたら次の日の練習がやれるという綱渡り状態でこの1週間を過ごしてきた。90分できたことはすごく大きいし、何度か取られてしまったけど、球離れをできるだけ早くしながらというのもあった。久しぶりにボランチをやって楽しかった」
 
 晴れやかな表情の背景には「久しぶりのボランチ」という要素もあったようだ。万全とは言えない状態のなかでも、状況に応じた的確な判断で攻守の舵取りを担ったあたりは、"さすが"と言うべきだろう。
 

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