積極補強ユベントスが「密かに狙う」大物ストライカーとは?

2016年07月15日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

モラタの後釜が今夏で一番の動きになる。

昨シーズンのセリエA得点王に輝いたイグアインは、先のコパ・アメリカ・センテナリオでも4ゴールを奪取。決定力の高さを改めて証明した。(C)Getty Images

 新シーズンに向けたユベントスのメルカートは、他のメガクラブよりもずっと早く動き出した。しかし、メインイベントはまだまだこれからだ。
 
 ディフェンスはもう安泰。買い取り義務付きレンタルでメディ・ベナティアを獲得する交渉が、バイエルンとの間でほぼまとまった。遠からず正式発表されるだろう。
 
 中盤はミラレム・ピャニッチ(ローマから)、そして右ウイングバックにダニエウ・アウベス(バルセロナから)を補強して、質量ともに充実度が増している。
 
 残る大きな補強ポイントは前線だ。レアル・マドリーに買い戻されたアルバロ・モラタの後釜として誰を獲得するかが、今夏で一番の動きになるだろう。いわばラストピースだ。
 
 カリム・ベンゼマ(R・マドリー)、エディンソン・カバーニ(パリSG)、ロメル・ルカク(エバートン)などとともにユーベが密かに狙っているのが、昨シーズンのセリエA得点王ゴンサロ・イグアインだ。ナポリが設定する9400万ユーロ(約113億円)という違約金はたしかに巨額だが、それに見合った働きをしてくれる可能性は高い。
 
 ユーべは移籍金引き下げのために人的補填(シモーネ・ザザ、ロベルト・ペレイラ、ステーファノ・ストゥラーロ、ダニエレ・ルガーニなど)を考慮し、さらに分割払いの算段を立てるなど、本気で獲得に向けた策略を練っている。
 
 ただ、イグアイン自身にまだ迷いがある。2018年まで残っているナポリとの契約を満了したいという思いも、ゼロではないからだ。
 
 しかも、この点取り屋を狙っているのはユーべだけではない。チェルシー、マンチェスター・ユナイテッド、マンチェスター・シティ、バイエルン、パリSGなど錚々たるメガクラブが目を光らせている。
 
 ただ、現時点ではまだ誰もナポリのアウレリオ・デ・ラウレンティス会長に正式オファーは送っていない。
 
 はたして、ユーベは彼らの先手を打って動くだろうか。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
 
※当コラムではディ・マルツィオ氏のオフィシャルサイトにも掲載されていない『サッカーダイジェストWEB』だけの独占記事をお届けします。
 
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かして幅広いネットワークを築き、「移籍マーケットの専門記者」という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にグアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。
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