【G大阪】ニュータイプのボランチ・倉田秋。近い将来、長谷部誠の後釜にもなり得る

2016年07月10日

ボランチ倉田が「そこは自信を持ってやっている」と語るのは――。

ボランチに定着しつつある倉田。ドリブルを武器に、新たなボランチ像を築きつつある。写真:サッカーダイジェスト

 いまや「ボランチ・倉田」は、G大阪にとって欠かせないピースになりつつある。
 
 以前も倉田のボランチ起用は時折あったものの、第1ステージ13節の広島戦でボランチとして初先発。今野と2ボランチを形成し、機を見た上がりで相手エリアまで駆け上がりゴールを叩き込んだ。
 
 以降は2列目からボランチへ活躍の場を移し、同ステージ最終戦から第2ステージ2節まで3試合連続先発。2試合連続3ゴールの連勝に貢献しており、その存在感は試合を重ねるごとに増している。
 
 近年は2列目を主戦場としていただけに、足もとの技術は一級品。さらにハードワークも光り、現代ボランチに必要な要素を兼ね備える。そして、倉田の真骨頂がドリブルだ。その武器を引っ提げて、新たなボランチ像を築きつつある。
 
 本人が「そこは自信を持ってやっている」と語るのも、ドリブルでの局面打開だ。ボールを相手に晒し、取りに来た瞬間、ギアを一気に入れ替えて抜き去る。マークをひとり剥がした瞬間、中盤は数的優位となり、崩しやすい状況が生まれるのだ。
 
「自分のところで相手をひとり剥がせば、前に相当スペースがある状態でプレーできる。ボールを取られる時もありますけど、それは自分の役割だと思っている」
 
 また、長い距離を駆け上がる脚力も魅力のひとつ。前述の広島戦では50メートル以上を一気に走り抜き、ゴールを叩き込んだ。豊富な運動量と足もとの技術はすでに代表クラスの水準。"ドリブル打開型のボランチ"という、ニュージャンルを作りそうな勢いだ。
 
 日本代表で不動のボランチに君臨する長谷部誠は32歳。2年後の18年ロシア・ワールドカップを見据えると、年齢的に衰えが見えても不思議はない。一方、倉田は27歳の働き盛りで、今後の伸びしろも期待できる。成長次第では、長谷部の後釜にもなり得る逸材だ。
 
 もっとも、本人は「まだまだ足りないものが多い」と口にする。自身の課題として守備、パスの質、ゲームコントロールを挙げ、それぞれのテーマについて語り出した。
 

次ページお手本はチームメイトの遠藤。「もうちょっと試合をコントロールできるようになりたい」

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