【G大阪】宇佐美移籍でチームに復調の兆し!? 好調を支えるキーワードは「シンプル」

2016年07月10日

宇佐美の移籍を受けて、「逆にみんながシンプルにやって、それがハマっている」(米倉)。

宇佐美(写真)の移籍で戦力ダウンが囁かれたが、チームは第2ステージに入って連勝。エースの離脱をまったく感じさせないパフォーマンスを披露している。写真:サッカーダイジェスト

 今夏、エースの宇佐美貴史がドイツのアウクスブルクへ完全移籍し、戦力ダウンが囁かれた。宇佐美の移籍を見据え、昨オフにアデミウソンや藤本淳吾らを獲得していたとはいえ、第2ステージの苦戦が予想された。
 
 ところが蓋を開ければ、1節のアウェー鹿島戦に3-1で勝利すると、2節のホーム仙台戦も3-1と連勝。流れるような攻撃を仕掛ける場面もあり、エースの離脱をまったく感じさせないパフォーマンスを披露したのだ。
 
 宇佐美の抜けた左サイドハーフには、豊富な運動量や攻守の切り替えに定評のある大森晃太郎が入り、ここ2試合はチームに安定感をもたらしている。果たして、チーム内でどんな変化が起きたのか。
 
 仙台戦後、番記者に「ボールをキープする宇佐美がいなくなり、SBの上がるタイミングが難しいのでは?」と問われた右SBの米倉恒貴は、こう証言している。
 
「逆にみんながシンプルにやろうとして、そんなに無理のないプレーをしている。(宇佐美が)いないならいないなりにやるしかないし、また新しいやり方でやっていくしかない。それが今はハマっていて、みんなで連動できている」
 
 トップ下でフル稼働中の遠藤保仁も、手応えを感じているひとりだ。
 
「ある程度はボールを回せたし、リズム良くボックスの近くまで行けた。全員が連動できれば、今日のような流れる攻撃が増えていくと思う。シュートの一個前のパスの精度が悪かったりしたので、そこさえクリアできれば、流れのなかからもっとチャンスは生まれる」
 
 右サイドハーフの阿部浩之、左サイドハーフの大森を起点に、現在のG大阪は"シンプルなサッカー"へのシフトを図っている。もっとも、サイドのふたりは三冠を達成した14シーズンの主軸であり、もともとコンビネーションに不安がなかったのも大きい。鹿島戦と仙台戦の連勝は、チーム全体で「シンプルなプレー」を心掛けた結果と言える。
 

次ページ今後の課題は、「上手くボールを収めてくれる」(遠藤)というアデミウソンの活用法。

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