青山直晃が語るタイサッカーの意外な実力。驚愕のタイ代表チームメイトに「あんな選手見たことない!」

2016年07月09日 佐々木裕介

「ひとつふたつ上を行かれている感じ」

タイ代表のエースであり、ムアントン・Uでは青山のチームメイトであるティーラシン・デーンダー。通称ムイは、青山が一押しする選手だ。(C) Getty Images

 9月に控えたロシア・ワールドカップのアジア最終予選で、日本はタイ王国代表チームと同組に入った。抽選会ではポッド6に振り分けられ、実力下位に見られがちなタイだが、同国に渡って2年目を迎える青山直晃は、日本戦ではある選手のプレーに注目するという。
 
 前編(青山直晃はなぜタイへ渡ったのか?)に続き、現在タイ・プレミアリーグのムアントン・ユナイテッドに所属する青山直晃が、知られざるタイサッカーの実力のほか、「日本よりもストレスを感じない」というタイでの生活ぶりも交え、タイの魅力について語る。
                                                                                                                   
取材・文: 佐々木裕介  写真: 高田胤臣
 
――◆――◆――
 
――タイでプレーされてみて衝撃を受けた選手はいますか?
 
「チームメイトのムイ(ティーラシン・デーンダー/タイ王国代表のスーパースター)はとにかく凄い選手ですよ。あんな選手は今まで見たことがないですし、パーフェクトに近い選手です。どうやってタイであんな選手が生まれたのか不思議に思います。
 
 高さがあってスピードもある、ドリブルもパスも凄く巧いんですよ。練習でも毎日マッチアップするんですが、上手な選手にはチャレンジ精神が働いてしまう自分がいて、気合いを入れてやるんですが、ひとつふたつ上を行かれている感じがあるんですよね。
 
 こちらが120パーセントで行っても彼はかなり余裕がある感じでやっています。点も取れるし、得点につながる決定的なパスを送ることもできるスーパーな選手です」
 
――9月にはロシア・ワールドカップのアジア最終予選が始まります。日本はタイと同じグループに入りました。両国のトップクラブでプレーした経験を持つ青山選手はどのような展望をお持ちでしょうか?
 
「簡単に言えば『日本の組織vsムイ』ですよね。日本代表はみんなで守ってドリブルやパスをするスペースを与えない組織力が武器だと思うんですが、そこをムイなら打破できるのではないかと思っているんです。
 
 チームメイトには若い年代も含め、数多くのタイ代表選手がいて彼らも能力は高いんですが、ひとりで日本の組織をこじ開けるのは簡単じゃない、でもムイなら何か起こすんじゃないのかなと思っています。日本は彼に注意した方が良いですよ」
 

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