【バイタルエリアの仕事人】vol.52 北川航也|メンタル面で成長できた海外での3年間「常に自分に矢印を向けられるようになった」

2025年05月24日 サッカーダイジェストWeb編集部

海外で当たり前にできる自信がありました

海外での経験が、今に活きていると断言する北川。写真:福冨倖希

 攻守の重要局面となる「バイタルエリア」で輝く選手たちのサッカー観に迫る連載インタビューシリーズ「バイタルエリアの仕事人」。第52回は、清水エスパルスのFW北川航也だ。

 前編では、バイタルエリアに対する考え方などを語ってもらった。後編となる本稿では、まず海外クラブでの経験について訊いた。

 清水で実績を積み、2018年にはJ1で13ゴールを記録して日本代表に選出された北川は、19年7月にオーストリア1部のラピド・ウィーンへ移籍。ただ思うような活躍はできず、3季のリーグ戦で合計5得点に終わった。それでも北川は意味があったと断言する。

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 初年度、カップ戦のザルツブルク戦で、初ゴールできた後に大怪我をしました。想定より酷く、2か月半くらいプレーできない間に、ウィンターブレイクに入った。そのためサッカーに順応するのに、時間がかかってしまいました。

"たられば"になってしまいますが「怪我がなかったら、もっといけたのでは」と、時間が経った今でも思います。
【動画】エスパ北川航也が決めた"エジルキック"弾!
 ただメンタル面で成長できた3年間でした。プロデビュー当初は必死で、感情が表に出たりもしました。その後、試合に出られるようになり、得点を取れるようになり、日本代表にも選んでもらった。海外で当たり前にできる自信がありました。

 でも試合に出られず、メンバーに入れない。セカンドチームでプレーし、自分より若い選手が結果を残すのを見せられて、悔しかったです。その時に「何とかしてやろう」という気持ちと同時に、誰のせいでもなくて力がない自分に非がある、という姿勢でプレーできていました。

 また海外の生活では、日本の当たり前が当たり前ではない。当初はイライラしましたけど、「こういうことがあるか」くらいの感じになれました。

 3年間で、常に自分に矢印を向けられるようになったし、人のせいにせず、自分のなかで解決するスタンスになれた。人としても選手としても、成長できたので、大きかったです。

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