「1-0で勝てるチームは強い」ベルギーでリーグ優勝目前の日本代表CBが鉄壁守備を牽引! 地元メディアは“安全な男”と激賞!【現地発】

2025年05月11日 中田徹

プレーオフ8試合で失点2。クリーンシート6度の圧巻ぶり

絶好調のユニオンで存在感が際立つ町田(中央)。残る2試合を制してリーグ優勝を掴むか。(C)Belga Image/AFLO

 90年ぶりのベルギーリーグ優勝に向けて邁進するユニオン・サン=ジロワーズは5月10日、アンデルレヒトとのブリュッセルダービーを1-0で制した。
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 僅差の苦しい試合だったが、日本代表CBの町田浩樹は「余裕はありました。あんまりやられる気はしなかったですね」と、アンデルレヒトの反撃に恐れを感じることはなかった。それもそのはず、今季のユニオンは堅守のチーム。レギュラーシーズン30試合でクリーンシートが13回というのもすごい数字だが、プレーオフに入ってからさらに守備が固くなり、8試合で喫した失点はわずか2。クリーンシートを6度も記録している。

 特に光るのが1-0の勝利。クラブ・ブルージュ、ヘンクと戦ったここ4試合のうち、ウノ・ゼロの勝利は3度を数える。残るひとつは0-0だ。

「鹿島時代から『1-0で勝てるチームは強い』と言われてました。優勝した時もそう。1-0で勝てるシーズンは自力があるというか。今のユニオンにも試合を勝ち切る力があると思います」

 前回の取材で町田は、「今季の俺は全然ダメ」と自虐を込めて語ったが、プレーオフに入ってからの彼の高パフォーマンスは特筆に値する。全国紙『ヘット・ニーウスブラット』は前節のヘンク戦(1-0)の町田に採点7を付け、こう寸評した。

「プレーオフを通じてトップレベルの守備を披露している。おかしなことはしない。常にシンプル。いつも正確。ファン・ダーレ(オランダ語の有名な辞書)でsecuur(セーフティの意味)を引いてみるといい。そこには町田浩樹の写真が添えてある」

 零封続きということもあり、守備での貢献で評価を高める町田だが、パス能力の高さも知れ渡っているところ。アンデルレヒト戦でもFWモハメド・フセイニに正確無比の縦パスを通し、GKと1対1になるビッグチャンスを作った。
 
 ユニオンはプレーオフで上位対決をすでに終了。2位クラブ・ブルージュとは1勝1分けで、3位ヘンクには2勝と、結果としては理想的。4位アンデルレヒトとのブリュッセルダービーも連勝した。

「ヘンク、クラブ・ブルージュがけっこう強かった。そう思うとこの(最後の)3試合(対アンデルレヒト、アントワープ、ヘント)は相手の力が落ちると思う。そこでしっかり勝点を落とさないようにするのが大事です」

 そんなことを町田はビッククラブ、アンデルレヒトとのアウェーゲーム後に平然と言ってのけるのである。

「でも、今季の僕らはアウェーのほうがパフォーマンスが良く、強いんです。そのことはチーム内でも話します」

 ユニオンがアウェーで強い背景はなにがあるのだろうか。

「分からないです。(ヨーロッパリーグの)アヤックス戦もアウェーのほうが良かったですし。サポーターが優しいんで、ホームだとちょっとゆったりしちゃう雰囲気がある」

 アンデルレヒト戦直前、ベルギーメディアは「ユニオンのサポーターは前半を0-2で終えてもロッカールームに戻る選手たちを拍手で迎える。そして最後は4-2で勝つ」という記事を載せた。

「そうなんです。ユニオンのサポーターは全然ヨーロッパぽくないというか。試合に負けても暴れているのをホントに見たことがない。ユニオンのサポーターは優しいですよね」

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