【J1第2ステージ展望】年間勝点でトップを争うのはどこか。リオ五輪が“足枷”に?

2016年07月01日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

第2集団で勢いのあるクラブは…。

第1ステージを制した鹿島。柴﨑、小笠原を中心に第2ステージでも首位戦線をリードするか。(C)SOCCER DIGEST

 今季J1の第1ステージは、川崎とのデッドヒートを制した鹿島の優勝に終わった。ただ、優勝と言っても、鹿島は11月に行なわれるチャンピオンシップ(CS)への出場権を獲得したに過ぎない。昨季以上に年間勝点を重視した今季のレギュレーションによれば、ステージ覇者はCSの1回戦、準決勝をいずれもアウェーで戦うことになっている。つまり、年間勝点2~3位よりも不利な条件を強いられるというわけだ。

 そうした背景もあり、第2ステージ開幕というよりは、単なる折り返し地点という意味合いが強いかもしれない。実際、川崎の中村は「ここまで積み上げた勝点がゼロになるわけではない」とコメントしている。また昨季と違って中断期間はなく、鹿島の第1ステージ制覇から1週間後の7月2日から第2ステージが始まるだけに、やはり"開幕感"は薄い。
 
 年間勝点で見た場合、その首位戦線をしばらくリードするのはおそらく首位の鹿島(勝点39)と2位の川崎(勝点38)だろうが、果たして最後まで走りきれるか。両クラブにとって懸念のひとつが、8月開催のリオ五輪。鹿島はCBの植田、川崎はMFの大島などの主力組がリオ五輪代表の活動(7月後半から最大8月20日あたりまで)で不在となるからだ。
 
 3位の浦和(勝点33)はオーバーエイジ枠(OA)の興梠やDFの遠藤、4位の広島(勝点29)もOAの塩谷、FWの浅野などを同様の理由で、リーグ戦で最大5試合使えなくなる可能性がある。夏場はまさに消耗戦。もしかすると7月後半から8月にかけて、彼ら主力を欠く上位4チームが揃ってパフォーマンスを落とすかもしれない。

 ただ、第2集団(5位・大宮=勝点26~11位・横浜=勝点22)で勢いのあるクラブがいるかと言えば疑問符が付く。6位のG大阪はむしろ宇佐美移籍(アウクスブルクへ)のダメージが懸念され、5位の大宮と7位の柏はリーグ戦で4試合続けて勝ち星がない。

 8位の磐田と9位のFC東京は勝ったり負けたりを繰り返し、10位の仙台は第1ステージの17節で4連勝がストップ。11位の横浜も不安定な戦いを続けているだけに、ここから年間優勝争いに食い込むのはいずれのチームにとっても簡単なことではない。
 
 あくまで現状(6月30日現在)で判断すると、年間勝点でトップを争うのは上位4チームになるだろうか。シーズンの行方を左右するポイントは、消耗戦となる夏場にキーマン不在の穴を埋める"代役たち"。鹿島はCBのブエノ、川崎はMFの大塚や森谷、浦和はFWのズラタン、石原、梅崎、DFの永田、広島はMFの茶島、CBの宮原あたりになりそうだが、果たして……。
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