「個人のレベルは高いと思う」
ドルトムント戦で奮闘する佐野。(C)Getty Images
27節ドルトムント戦は8万1365人の観客で満員になったアウェー戦。10節のホームに迎えた同カードでは相手のエムレ・ジャンが前半27分に一発レッドカードで退場処分となったこともあり、マインツが3-1と快勝している。その後もリーグでは取りこぼしが多く、26節終了時で11位に沈んでいるドルトムントだが、チャンピオンズリーグではベスト8に駒を進める程のクオリティを誇る。
佐野も警戒をもって試合に臨んでいたことを明かしている。
「個人のレベルは高いと思います。だからちょっとでもスペースを与えてしまえばやられる。ボールを持たせないようにするのが一番だと思います。それができないときに、しっかりスペースを埋めるのか、ボールを奪いに行くのかという判断は、自分もそうですけど、チームも同じように共通認識を持ってやらないといけない」
実際、試合では好判断でボールを奪いにいくシーンが多くみられた。セカンドボールもただ跳ね返すだけではなく、味方にしっかりとつなげる。本来プレスをかけるタイミングというのは自分たちが積極的にアプローチできる状況を作っている時だ。相手にフリーな選手が複数いるのに、不用意につっかけたらシンプルなパスで崩されてしまうからだ。ボール保持者が有効なパスの出しどころを見つけられない状況だと、味方選手と連携をとりながら懐まで飛び込んでいくことが可能となる。
だが、佐野はボールを奪いに行けないような状況でも抜群のポジショニングとタイミングでボールを奪取してしまうから恐れ入る。24分、マインツのコーナーキックからドルトムントが一気にカウンターを仕掛けたシーンがあった。完全に数的不利な状況となり、最後尾にいた佐野はボールサイドへのケアのほか、自分の背後へ侵入しようとする選手にも気を配らなければならない。
ボールサイドで味方のダニー・ダ・コスタが下がりながら対応しているのを見た佐野は、逆サイドへ抜けようとするドイツ代表FWカリム・アデイェミへのパスを警戒しながら相手の動きを詳細に観察しつつ対応。次の瞬間、ダ・コスタの裏へ抜けだしたFWマキシミリアン・バイアーへパスが出てきたところですっと距離を詰めておく。
この段階でバイアーには、ダイレクトで逆サイドへのクロスパス、足元へコントロールして右サイドオーバーラップしてきている味方へのスルーパス、あるいはドリブルでスペースへ持ち運ぶ選択肢があったはず。そのどれもを予測していた佐野は、ダイレクトで逆サイドへクロスパスが出せないポジショニングをとっておき、バイアーがドリブルでスペースへ抜けだそうとした瞬間、一気にそのコースへ体を運び、ボールを見事に奪取してみせたのだ。
「そうですね。でもあれは、逆に蹴られたら多分終わってたと思う。一か八かのところはあったので、ああいう(好ましい)結果になっただけですかね」
佐野は試合後このシーンをこのように振り返っていた。