【EURO2016】ネビル? サウスゲイト? ポチェティーノ? イングランド代表の次期監督探しは前途多難だ

2016年06月28日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

3人の有力候補の引き抜きは難しい状況。

ホジソン監督のアシスタントコーチを務めたネビル。昨年12月から指揮を振るったバレンシアでは3勝5分け8敗という散々な結果に終わった。(C)Getty Images

 EURO2016の決勝トーナメント1回戦は、イングランドの敗退という大きな波乱が待っていた。戦前の下馬評では優勝候補の一角にも挙がっており、伏兵のアイスランドに逆転で倒されるとは、大方の予想を裏切るまさかの結果と言えるだろう。
 
 頭を抱えているのは、イングランド・サッカー協会(FA)のテクニカルディレクターではないだろうか。この早期敗退を受けてロイ・ホジソン監督(68歳)が辞任を表明し、後任人事を早急に進めなければならない。ところが候補者は限られており、招聘までの障壁も少なくないからだ。イギリスの日刊タブロイド紙『デイリー・ミラー』のウェブ版は、今後の見通しを次のように伝えている。
 
 ホジソンのアシスタントコーチを務めてきたガリー・ネビル(41歳)か、現U-21代表監督のガレス・サウスゲイト(45歳)の昇格人事には踏み出しにくいだろう。ネビルは2015年12月から兼任したバレンシアの監督職をわずか3か月ほどで解任された一件で、株を落している。サウスゲイトは代表サポーターからの幅広い支持が得にくく、あるとしてもワンポイントのリリーフではないだろうか。
 
 15-16シーズンのプレミアリーグで弱小のボーンマスを率い、降格筆頭候補の下馬評を覆したエディー・ハウ(38歳)はまだ若すぎる。クリスタル・パレスのアラン・パーデュー(54歳)と、サンダーランドのサム・アラダイス(61歳)の代表監督就任は単純に想像できない。
 
 外国人監督の招聘を検討する場合は、FAのグレッグ・ダイク会長が挙げた「イングランドのサッカーに精通しているか」が重要な条件となりそうだ。『デイリー・ミラー』の見立てでは、実績や資質だけで判断すれば有力候補が3人いる。しかしいずれも、現所属クラブからの引き抜きが絶望的な状況となっているのだ。
 
 マウリシオ・ポチェティーノ(アルゼンチン国籍/44歳)はこの5月にトッテナム・ホットスパーとの契約を2021年まで更新したばかりだ。前リバプール監督のブレンダン・ロジャース(北アイルランド国籍/43歳)は、セルティック・グラスゴーの新監督に就任したばかり。クロアチア代表監督歴を持つスラベン・ビリッチ(クロアチア国籍/47歳)は、ウェストハムが手放すはずがない。15-16シーズンのプレミアリーグで7位と好成績を残しただけでなく、クラブがオリンピック・スタジアムへの本拠地移転を直前に控えているのだから。
 

次ページ大会前は続投へ意欲を見せていたが…。

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