帝京長岡のスーパールーキー児山雅稀が衝撃的なデビュー。強心臓とインテリジェンスに磨きをかけて理想像を求めていく

2025年03月31日 安藤隆人

縦パスが出た瞬間、一気に弾丸のように加速

世代屈指の逸材として注目される児山。帝京長岡で「フィジカルも足もとも兼ね揃えた選手」をめざす。写真:安藤隆人

 プレミアリーグ開幕1週間前に、帝京長岡のスーパールーキーが早くもそのベールを脱いだ。

 兵庫県のFCフレスカ神戸ジュニアユースからやってきたFW児山雅稀は、高校生顔負けの屈強なフィジカルとスピード、度胸をあわせ持つ。市立船橋、京都橘、桐光学園、ジェフユナイテッド千葉U-18、徳島ヴォルティスU-18と全国の強豪と戦った船橋招待サッカー大会で、児山はレギュラーチームのFWとして出場した。

 鋭い目つきで戦況を見て、ボールが動くたびにポジションを取り直し、縦パスが出た瞬間に一気に弾丸のように加速する。がっしりとした肩幅、厚い胸板もあってか、正直、「どれが新1年生?」と聞かれても分からないほど堂々とした佇まいだった。

「周りは年上ばかりでも、最初は緊張こそしますが、それで萎縮するようなことはないです。まだ自分を出し切れていないところは感じていて、前に仕掛ける、フィジカルとスピードで突破していくことをもっと見せていきたいです」

 メンタリティもこれから高校サッカーを始める選手とは思えない。それもそのはずで、中学時代に数少ない街クラブ所属の選手としてU-15日本代表に選出され、ウズベキスタン遠征、フランス遠征に参加。そこでも臆することなく堂々とプレーし、存在感を放った。
 
 中学年代ですでに世代屈指の選手だった児山のもとには、当然のように多くの強豪校、Jユースからのオファーが届いた。その中で彼は「Jクラブユースより高校サッカーでやりたかった。帝京長岡は全員がテクニックがあって、パワーもある。僕はまだパワーに頼ってしまうからこそ、課題だった技術の部分を磨くには帝京長岡が一番成長できると思った」と進路を選択した。

 この選択に大きな影響を与えたのは、フレスカから帝京長岡に進学した先輩たちの姿だった。昨年のチームで10番を背負ったMF柳田夢輝、1年生ながら主軸としてプレーし、U-17日本高校選抜にも選ばれたMF和食陽向の2人が、帝京長岡で大きく成長したからだった。

「2人とも技術レベルが格段に上がった印象でした。練習参加した時に、和食さんのダブルタッチでかわしていくプレーの質はめちゃくちゃ上手くなっていましたし、僕もあれができるようになりたいと思いました。

 どうしても僕は強引にフィジカルでなんとかしてしまうようなことがあるので、そこは長所としてもっと伸ばしながらも、ダブルタッチや足もとの部分をここで磨けば、より怖い選手になれると思うのでワクワクしています。ここでフィジカルも足もとも兼ね揃えた選手になって、海外の相手に成長した姿を持ってぶつかり合えることも楽しみです」

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