2009年に転機。トニー・ブルームがブライトンを買収
昨夏にブライトンは日本ツアーを実施。三笘の人気は凄まじかった。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)
プレミアリーグでブライトンが7位に浮上し、来季のチャンピオンズリーグ出場権の入る4位チェルシーまで3ポイント差になった。欧州行きの可能性があることにクラブの成熟をヒシヒシと感じているが、昨夏に東京で行なったプレシーズンツアーも、クラブ番を務める私には非常に感慨深いものだった。
筆者が、イングランド南部に本拠地を置くブライトン・ホーブ・アルビオンの番記者として取材を始めたのは、今から26年前。地元紙アーガスへの就職を機に、ブライトンを追いかけるようになった。当時クラブは4部リーグに所属し、観客も1試合平均でわずか約2000人以下という小さなクラブでしかなかった。この時、クラブは自前のスタジアムさえ持っていなかった。
だが、2009年に大きな転機が訪れた。元ギャンブラーで熱心なサポーターでもあるトニー・ブルームが、ブライトンを買収したのである。
スポーツ・ベッティング・コンサルティング会社のスターリザード社を所有する同オーナーは、データ分析に基づくスカウティングシステムを構築し、才能ある若手を次々と獲得してチームを強化していった。さらに2011年には、現在も使用するアメックス・スタジアムが完成し、クラブの基盤を整えた。
ブルームの到来を機に右肩上がりに成長を続け、2017年に悲願のプレミアリーグ昇格を決めた。また昨シーズンには、クラブ史上初となる欧州リーグに参戦した。同大会のアンセムがホームスタジアムに鳴り響いた時には、クラブの確かな成長を感じることができた。
そして、私はブライトンと共に、昨夏のプレシーズンツアーで日本の東京を訪れることになった。昨年の7月24日に鹿島アントラーズ、同28日に東京ヴェルディと、それぞれ強化試合を戦った。私はその取材のため日本に向かった。
イングランド南部のローカルクラブに過ぎなかったブライトンが、プレシーズンツアーで極東の島国、日本に行くことになるとは夢にも思わなかった。クラブ取材を始めた当時30歳の自分に、「26年後にブライトンの取材で東京に行くことになるぞ」と言われても、おそらく一笑に付していただろう。「そんな馬鹿な」と──。
筆者が、イングランド南部に本拠地を置くブライトン・ホーブ・アルビオンの番記者として取材を始めたのは、今から26年前。地元紙アーガスへの就職を機に、ブライトンを追いかけるようになった。当時クラブは4部リーグに所属し、観客も1試合平均でわずか約2000人以下という小さなクラブでしかなかった。この時、クラブは自前のスタジアムさえ持っていなかった。
だが、2009年に大きな転機が訪れた。元ギャンブラーで熱心なサポーターでもあるトニー・ブルームが、ブライトンを買収したのである。
スポーツ・ベッティング・コンサルティング会社のスターリザード社を所有する同オーナーは、データ分析に基づくスカウティングシステムを構築し、才能ある若手を次々と獲得してチームを強化していった。さらに2011年には、現在も使用するアメックス・スタジアムが完成し、クラブの基盤を整えた。
ブルームの到来を機に右肩上がりに成長を続け、2017年に悲願のプレミアリーグ昇格を決めた。また昨シーズンには、クラブ史上初となる欧州リーグに参戦した。同大会のアンセムがホームスタジアムに鳴り響いた時には、クラブの確かな成長を感じることができた。
そして、私はブライトンと共に、昨夏のプレシーズンツアーで日本の東京を訪れることになった。昨年の7月24日に鹿島アントラーズ、同28日に東京ヴェルディと、それぞれ強化試合を戦った。私はその取材のため日本に向かった。
イングランド南部のローカルクラブに過ぎなかったブライトンが、プレシーズンツアーで極東の島国、日本に行くことになるとは夢にも思わなかった。クラブ取材を始めた当時30歳の自分に、「26年後にブライトンの取材で東京に行くことになるぞ」と言われても、おそらく一笑に付していただろう。「そんな馬鹿な」と──。
ブライトンを東京へと導いたのは、紛れもなく日本代表MFの三笘薫だ。
22年夏に加入した日本代表はロベルト・デ・ゼルビ監督の下で主力として成長し、監督がファビアン・ヒュルツェラーに変った今シーズンも押しも押されもせぬエースだ。その27歳のアタッカーが日本で非常に人気があるのは、私もイギリスで日々感じている。
たとえば、2年前にサッカーの聖地ウェンブリー・スタジアムで行なわれたFA杯準決勝のマンチェスター・ユナイテッド戦には、たくさんの日本人記者が詰めかけた。その一方で、イギリス西部の田舎町ネイルズワースに本拠地を置くフォレスト・グリーンとのリーグカップにも、日本人記者を確認できた。
もちろん、ブライトンの本拠地アメックス・スタジアムでも、日本のファンの姿をたくさん見かける。彼らの姿を目の当たりにし、イギリスでも三笘の注目度の高さを日々感じているのである。こうした背景を考えると、ブライトンが夏に「日本行き」を決めたのは、むしろ自然な流れだったように思う。
東京で何よりも驚いたのは、ブライトンファンの多さ。試合開始の3時間前に国立競技場駅を出ると、目の前にクラブカラーの「青と白」の世界が広がっていた。スタジアムに集まったファンは、一様にブライトンのユニホームを着ていた。
英国南部から約9600キロも離れたこの場所で、まさかブライトンの本拠地と同じような光景を目の当たりにするとは夢にも思わなかった。あの景色を見ることができたのは素晴らしい経験であり、約14時間をかけて地球を半周してきた価値は十分にあった。
【画像】勝てばW杯出場が決定!バーレーン&サウジとのW杯アジア最終予選ホーム2連戦に挑む日本代表招集メンバーを一挙紹介!
22年夏に加入した日本代表はロベルト・デ・ゼルビ監督の下で主力として成長し、監督がファビアン・ヒュルツェラーに変った今シーズンも押しも押されもせぬエースだ。その27歳のアタッカーが日本で非常に人気があるのは、私もイギリスで日々感じている。
たとえば、2年前にサッカーの聖地ウェンブリー・スタジアムで行なわれたFA杯準決勝のマンチェスター・ユナイテッド戦には、たくさんの日本人記者が詰めかけた。その一方で、イギリス西部の田舎町ネイルズワースに本拠地を置くフォレスト・グリーンとのリーグカップにも、日本人記者を確認できた。
もちろん、ブライトンの本拠地アメックス・スタジアムでも、日本のファンの姿をたくさん見かける。彼らの姿を目の当たりにし、イギリスでも三笘の注目度の高さを日々感じているのである。こうした背景を考えると、ブライトンが夏に「日本行き」を決めたのは、むしろ自然な流れだったように思う。
東京で何よりも驚いたのは、ブライトンファンの多さ。試合開始の3時間前に国立競技場駅を出ると、目の前にクラブカラーの「青と白」の世界が広がっていた。スタジアムに集まったファンは、一様にブライトンのユニホームを着ていた。
英国南部から約9600キロも離れたこの場所で、まさかブライトンの本拠地と同じような光景を目の当たりにするとは夢にも思わなかった。あの景色を見ることができたのは素晴らしい経験であり、約14時間をかけて地球を半周してきた価値は十分にあった。
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