【浦和】連敗は止めたが…。槙野と森脇の見解の相違から浮かぶ「未解決問題」

2016年06月23日 塚越 始(サッカーダイジェスト)

3試合連続、ファーストシュートを決められる。守備の課題は多い。

丸山に競り勝ち、豪快なミドル弾――。2ゴールを決めた槙野は、「前半は怖さがなかった」と語ったが……。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

[J1・1stステージ13節]浦和レッズ3−2FC東京
6月22日/埼玉スタジアム2002
 
 
 2失点から3ゴールの大逆転劇――。浦和がFC東京に3-2の勝利を収め、リーグ戦の連敗を3で止めた。アジア・チャンピオンズリーグのアウェーのFCソウル戦で、120分+PK戦の末に敗れた壮絶な死闘から、一度も勝てずにいた悪い流れをようやく一旦断ち切ってみせた。
 
 ミスから失点する最近の負けパターンに陥りかけたものの、力づくで3ゴールを奪取。相手より執念で上回った。
 
 とはいえ課題は少なくない。守備面では、G大阪戦、広島戦に続き、3試合連続でファーストシュートを決められた。しかも広島戦に続き、最終ラインとボランチ(今回は遠藤航と阿部勇樹)のパス交換を奪われる"安い失点"を喫した。
 
 しかも、そこで焦って前掛かってバランスを崩し、球際に厳しく行けず追加点を与えたのも、これまで見てきた失点の形だった。
 
 一方、攻撃面では、槙野智章と森脇良太が異なる見解を示していた。どちらも言っていることは正しく、賛同できる点も多く、それだけに興味深かった。
 
 まず、2ゴールを決めた槙野は、次のように振り返った。
 
「不甲斐ない前半から立て直すことができた。前半は相手に怖がられるようなプレーをできていなかった」
 
 前半終了後のロッカールームで、話し合いが行なわれたという。
 
「ハーフタイム、みんなで勝つためにはどうすればいいか、強く要求し合った。1点取れれば、必ずひっくり返せると、声を掛け合った。そこから、前半にはなかったようなゴールに向かう姿勢、走りができた」
 
 槙野は、前半ゴールに向かう姿勢が欠けていたというのだ。
 
 一方、森脇は次のように語った。
 
「立ち上がりから、流れが良くなかった。前半は流れに乗れていない時のサッカーになってしまった。ただ、そこからみんなの気持ちをひとつにして、逆転まで持っていけた」
 
 そのあたりの試合の流れに関するコメントは、他の選手と共通する。ただし、ある記者から「後半に良い攻撃ができた理由は?」と聞かれると、首をかしげた。
 
 

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