苦しかった時にかけられたケンゴさんの言葉。自分を見失いかけた川崎の脇坂泰斗が新シーズンへ抱える覚悟

2025年02月14日 本田健介(サッカーダイジェスト)

「もっと突き抜けないといけない」

今季初の公式戦となったACLEでのアウェーの浦項戦では自身もゴール。4-0での快勝に導いた。(C)Getty Images

 無冠、鬼木達監督の退任、自身初の長期離脱。もがき続けた2024年を経て川崎の脇坂泰斗は新体制となったチームでどんな姿を見せようとしているのか。特別インタビューで迫る(全3回/2回目)。

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 苦しんだ1年。

 そんな2024年だったが、新シーズンへポジティブな想いもある。

「昨年はキャプテンをやらせてもらって、チームのことを考える時間がより増えた分、それが自分のペースを乱しちゃったのかなと、今振り返ると感じる部分もあります。自分のできる100パーセントのなかで、チームのことも、自分のプレーにも全力で臨んでいましたが、自分のパフォーマンスをなかなか上げることができなかった。

 でも、自分はもっとできると信じていますし、自分の持っているモノが100パーセントだとしたら、昨季は60から80ぐらいの波を彷徨っていた感覚があります。それをやっぱり高いところでキープしたい。長いシーズン、波は誰しも必ずありますが、それを小さく高いところで維持するのが一流選手。それをしなきゃいけないなと」
【画像】泰斗&崚平の"脇坂兄弟"貴重2ショット!

 
 そして悩み抜いたからこそ、見えてきた新たな境地もある。

「もっと突き抜けないといけないなって。より本能的に。『結果を絶対に残してやる』っていう気持ちは今までも持っていましたが、自分はそういった姿勢が出にくいプレーヤーだからこそ、もっと出していかないといけない。1試合に懸ける想いをより表現したいです。

 より高いレベルのサッカーを見ていると、知性を持った選手が本能的に動いている。逆も然りですが、気持ちを全面に出しながらも、理にかなったプレーでチームのためになっている。そこの部分は、やっぱり出していきたいです。

 チームを分析したなかでも、そういう選手がいると、実際に助かるんですよね。例えば(小林)悠さんだったり、(山田)新もそうで、ジェジ(ジェジエウ)も後ろから声をかけてくれる。そういう選手って、魂が見えて、チームを勢いづけることができる。そういう選手が多ければ多いほどチームは強くなる。だからこそ自分もそうなりたい。

 そうしないと、上にいけないでしょうし、そういう選手が多くいないと、タイトルを奪い返せない。その姿勢をまず自分が示す。ただ、気持ちを押し出して闇雲に動き回れば良いわけでもない。そこは冷静にプレーする。それにシゲさん(長谷部茂利新監督)の下では、負ける確率を下げて、勝つ確率を上げる戦い方など、新しいことにチャレンジしていて、それをまずベースにして、そのうえで我を出すプレーをしていきたい。何か変わるタイミングでヒントは色々落ちていて、自分を変えていきたいです」

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